意識を取り戻すと、チョイスはミルフィオーレが勝っていた。……悔しい。画面のツナさんも、悔しそうに唇をかみしめていた。
兄さんに促されてフィールドへと降り、彼らがいる所へと向かう。肩を抱かれ、嫌悪感に襲われながらも状況を把握するため耳をそばだてた。すると正一さんが兄さんとの出会い、パラレルワールドの説明、そして未来のツナさん、――沢田さんとの話をしていた。カツン、と歩き出す音がでる。こっそり隠れて聞いていたけど、もう勝利したことが嬉しそうな兄さんは、スキップ寸前だった。悔しそうなツナさんの声が聞こえた。それを嬉しそうににこにこにやにや見ている白蘭兄さん。
「負けちゃった…そんな大きな意味や想いがあるなんて知らずに…」
「そ、君達の負け♪僕の事こんなによくわかっているのに残念だったね正チャン」
「白蘭!!それに真白さんも!」
兄さんはボンゴレリングを奪おうとする、止めなきゃ…でも身体が動かない。その時、正一さんがチョイスの再戦をと要求した。でも兄さんはその言葉を跳ね退ける。もう、我慢の限界だ。
カッと目を見開き、おもいっきし腕に力を込めて兄さんの頬にビンタを叩き込んだ。バチン!と大きな後にくる静寂。今まで私に向けたことがないような殺気の篭った顔。
「真白…」
――――こわい。
兄さんと間合いを取る為に宙へと飛んだ。一回転する時に白がうつる。地面に着地したのと同時に女の子の声が響いた。
「私は反対です」
「!」
「白蘭、」
「「!!」」
「ミルフィオーレのブラックスペルのボスである私にも」
「…お前は」
「決定権の半分はあるはずです」
ユニの登場だった。兄さんは想像していなかったことばっかりで、顔を歪ませていた。ミルフィオーレ側と正一さんはかなり驚いている。ボンゴレ側に有利になりそうな展開になりそう。私に駆け寄る京子さんやハルさんを見ながら私は口元を歪ませて笑った。
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