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「「俺達からもこの通りや!」」

「白石くんお願い!」

只今私苗字名前はみんなのアイドル白石蔵ノ介くんの前で土下座中。
と言うのも我が部活の存亡の危機が訪れているのです!



遡ること数日前、私達軽音部がライブまであと一週間というときにヴォーカルの子が喉を潰してしまい出れなくなってしまったと言うのを聞いたユウジ、謙也、私の3人は急遽新しいヴォーカルを探すべく作戦会議を開いた。
するとユウジ、謙也の推薦であの白石蔵ノ介をヴォーカルに迎えようと言うことになったんだけど…

「問題は引き受けてくれるかどうかなんや…」

「部活は終わったけど、部の引継や財前のサポートに行っとるみたいやしな」

「でも白石くん歌も上手いし、彼ほどの逸材はいないと思うんだよね」

と言うことをぐだぐだ1時間話し合った結果「取りあえず土下座で頼み込み」になり冒頭に戻ります。



「あの…、苗字さん頭上げてや、女の子がそんなんするもんやないよ」

恐る恐る顔を上げると私と同じ目線にしゃがみこみ困ったように笑う白石くんの姿が。

「…謙也達のバンドのヴォーカルやったっけ?ええよ、やったるわ」

「ええんか白石!?」

「やって俺しかおらんねやろ?やるからにはしっかりやらしてもらうから」

思わずユウジとハイタッチをすると何やら白石くんが謙也くんを教室の端に連れて行きコショコショ話をしていた。




そしてとうとう文化祭のライブ発表の日。
幕の裏でみんなで円陣を組んで最後のミーティングをする。


「よっしゃ、今までの成果を発揮するで!」

「白石、一週間しか練習無かったけどいけるか?」

「いくしかない…やろ?俺を誰や思てんねん、完璧にこなしてみせるわ」

白石くんのどや顔に思わず笑ってしまう。

「そうそう、苗字さんは笑顔でおったらええんよ」

慌てて目線を白石くんから外したところで舞台袖から開始合図が出され慌てて私達は配置につく。
あのまま居たら多分顔が真っ赤になってたよ…危ない危ない。

ブーッと言う開始ベルがなり幕があがると体育館いっぱいのお客さんの姿。
胸が高鳴り意気揚々と袖を捲り中央に立つ白石くんの後ろ姿を見つめる。


「初めまして、臨時ヴォーカルの白石です、今回が俺達にとって最後のライブやからみんな楽しんでってや!」

謙也の1、2、3、4の掛け声と共にロックなミュージックが始まり歓声があがる。

楽しんだもん勝ちだ!





「おい謙也!今日のライブめちゃ良かったな!」

「ユウジこそ調子良さそうやったやん」


ライブは拍手喝采の大成功を収めユウジと謙也は2人でさっきからキャッキャ盛り上がっている。

「なぁ、苗字さん少しいいか?」

そんな2人を見ていると急に白石くんが私を呼び止めた。

「お、じゃあ俺ら帰っとくな!」


急にユウジを連れて体育館裏へと消えていく謙也の姿を怪しく思いながらも白石くんの問いかけに応じるべく白石くんを見上げる。

「苗字さん、俺バンドに誘われる前からずっと好きでした」

「へーふーん…って、はい?」

「だから…バンドでは歌うことはないけど、これからは苗字さんの為言うんやったら歌ったるよ」


これから君の専属ヴォーカルや!



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部活のお姫様!に提出白石くんがバンドヴォーカルだったら歓声が止みませんよね。
ちなみにユウジはbass、謙也はdrum、名前ちゃんはguitarの設定です!

話の中のバンドの名前は四天宝寺から「ホージーズ」と付けようとしてました(笑)

恋+軽音=青春