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謎の世界を抜け出して、いつもの王城に戻ったカズマはまだ苛立ちがおさまらない、といった様子だった。


リンがどこか小さくなっていると、ふいにカズマはリンの手を引いた。


リンがびっくりしてカズマを見ると、カズマは真っ直ぐな目をして訊いた。


「……おい、お前 さっきあの男と何を話していた?」


「え、えっと……何ってことではないような……たわいない、話をしました……!」


「……何もされなかったんだな?」


「え?」


カズマの尋ねた意味がわからなくてリンが聞き返すと、カズマは肩をすとんと落とした。


「……何もなかったなら、いい。でも、金輪際あの男とは話をするなよ。……もしかしたら油断ならん奴かも知れないからな」



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