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「……お前はほんっと……なんでそう、トンチンカンなわけ?」
「トンチンカンって……」
「トンチンカンはトンチンカンだよ。トーヘンボクのすっとこどっこいでもいい」
「……なんか悪くなってない?」
「悪くしてんだよ、この馬鹿真人」
幹也は真人の右足のつま先をえいっ、と踏みつけた。
「いってぇーー!こゆび!こゆびいたい!」
急所に等しい場所を攻撃されて、思わず真人は涙目になる。
そんな真人に幹也は笑った。
太陽みたいな……真人が一番好きな、幹也の顔。
この光にいつも憧れていた。……いつも憧れている。
いつだって少し遠くて……でも、なにより近くにいたい笑顔。
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