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side:可愛い嫁



「あ、幹也さん!これ良かったら食べてください。今日、マリカさんに手伝ってもらって焼いたクッキーなんですけど……」



真人とカズマがおかしな友情を築いた世界と微妙に繋がった世界。


リンと幹也は楽しいティータイムを行っていた。


満田のような案内役のいない世界だったが、そこはリンの朗らかな性質が二人の間の空気を和らげた。


「ほんと?あー美味しい。これ、ナッツ入り?」


幹也はリンの差し出したクッキーをつまんだ。


リンはにっこりと笑って頷く。


「そうなんです。城のお庭で拾ったクルミを砕いてねり込んでみました」


「んー最っ高。リンちゃんみたいないい嫁がいる人は幸せだねー」


満面の笑みでクッキーをほお張る幹也にリンは少しだけ悲しげな表情を浮かべた。


「そう……でしょうか。私、ちゃんとカズマ様のお役に立てているんでしょうか……」


リンの雲った表情に幹也は目を丸くする。


けれど、すぐにフッと笑った。



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