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胸を合わせて手首を掴んだままそう尋ねると、カタカタと小刻みに震えながらリンは小さな声で答えた。
「わたしは、その……でも……っ」
「あまり考えるなよ、リン。俺のことだけ考えてろ。全部、俺がなんとかしてやる。お前は全部、俺に任せたっていいんだ」
そう言うと、カズマはリンのセーラー服のリボンを引き抜いた。
そのまま両手首を結んで、縛り付ける。
リボンが抜けたせいで少しはだけた首元に吸いつくと、リンの肌は桜色に染まった。
「……っあ……」
「……ずっと、俺のものにしたかった。俺のものなはずなのに……本当の意味で俺のものじゃない気がしていた。俺は、お前とのこと政略結婚だ とか親が決めた相手だとか思ったことはない。……俺は お前が、お前だけがずっと……欲しかったんだ」
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