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その瞬間、「いらっしゃぁ〜〜いっ!」と馬鹿みたいに高い声が響く。



「……え、えええっ」


白いドアの向こうにあったのは「新●さんいらっしゃい」みたいなセットの謎の部屋だった。


南国の木のような白い柱にこれでもかっ!というほど飾られた花。


ちょっとだけ安っぽいステージにステンドグラスみたいな窓。


なんだ、ここ。それになにより……


「お前、なにやってるんだよ満田っ!」


さっき「いらっしゃーい」と馬鹿みたいな声で叫んだのは満田だった。


……頭に花なんか飾っちゃって、「らしくない」格好をしているが、満田だ。


なんだかんだ言って大学で毎日顔を合わせている悪友の顔を間違えるはずがない。


「満田じゃアリマセンー!満りんですぅ」


「はぁ!?嘘つけって!お前、満田だろ!」


首を引っつかんでグラグラさせながら問いただすと、満田は「ぼうりょくはんたいぃーっ」と喘いだ。


しかしそんな言葉に素直に「ハイ」と頷いている場合じゃない。


こんな超常現象に付き合ってられるか。




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