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大体二時間経ったくらいに家に戻ると、妃芽は机に突っ伏して寝てしまっていた。

勉強するとか言ってて、開いたノートは真っ白だ。


「……何がしたかったんだ……」


今日の妃芽はいつも以上にわけがわからない。


俺はため息をつきながら、とりあえず水を飲もうと水道へ向かう。


「……おいおい」


そこで、シンクに目をやってまた驚く。
部屋だけじゃなく、水道もピカピカだ。

まさかとは思って風呂とトイレも見てみるが、同じく完璧に掃除されていた。

俺は部屋に戻って、スヤスヤ眠る妃芽に視線を落とす。


そもそも日本に帰ってきたばっかりで疲れてるだろうに、何でこんなことしたんだか……。


「……ありがとな」


俺は苦笑いをしながら、妃芽を起こさないように、眠る妃芽の頭をそっと撫でたのだった。




-Fin-




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(8/9)

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