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「ミズキ!俺の鞄を拾え!中に透明インクが入ってるから開けろ!」

ハルカが叫んだ。

私は素早く鞄を拾い、後ずさりながら中身を探る。あった、これだ、たぶん。

絵の具みたいな形のチューブに『透明』と書いてある。

キャップを捻ると、急に自分の手が見えなくなった。

それで、透明人間みたいになったんだと気付く。

「は、ハリーポッター!」

思わず興奮してしまう。


「変なこと言ってないで、車まで走れ!後で発信機で探すから、先にこの星から逃げろ!」

ハルカがまた叫んだ。

「でも…」

「俺は大丈夫だから!」

ハルカがそこまで言ったところで、二人組が彼の口を塞いだ。

私は唇を噛んで、車の方へ走った。



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