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いつも二人が別れている、郵便ポストの曲がり角だ。
自転車を止めて、きみを降ろす。
「じゃあ…」
「じゃあね」
名残惜しいとお互いが思ってしまう前に。示し合わせたようにあっさりと、別れる。
ぼくはきみに背を向け、自転車に跨がった。
すると、
「あのね」
きみの声に、振り返る。
「待ってるね。手紙の返事、書くね」
きみは綺麗に笑っていた。
ぼくは泣きそうな気持ちで大きく頷いて、今度こそ自転車を走らせた。
でこぼこした道が、涙を飲み込ませてくれる。
これで、四年間のお別れ。
ぼくたちには、どんな四年が待っていて、どんな四年後が待っているのだろう。
きみの最後の言葉を聞いて、ぼくも伝えたくなったことがあった。
だけど、なんとなく言うことができなかったから、せめて心で強く思う。
夕焼け空がすごくあったかいから、もしかしたら、きみにこの思いを届けてくれるかもしれない。
『きみが楽しくてしかたないときは、一緒に笑うことができないから。
きみがどうしても泣きたくて泣きたくてしかたないときは、抱きしめることはできないから。
そのときは、思い出してくれないかな。
そうすれば、遠くにいたって、きみを守れているような気がするんだ』
ゆきおさん、サイト4周年おめでとうございます!(こっそり!)
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