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「やだなあ青山さん!このひとは友達のジローさん。レンアイ仲間ですよっ!こっちの女性は水原さん、ジローさんの彼女ですっ」

ニコニコと説明する宮田くんを押しのけ、青山さんはこちらの答えを待つ。


すると香奈さんが、冷静な声で言った。

「いえ、こちらの変態がそちらの変態と意気投合していただけです。不快でしたが迷惑というほどではありません。……むしろあなたに同情するわ」

最後の一言は、青山さんたちには聞こえなかったようだ。

「本当にすみませんでした。このひとは責任持って連れて帰ります。ほら、宮田さん帰りますよ!」

青山さんはここの代金を置いてから、再び宮田くんの腕をぐいぐいと引っ張った。


「ジローさん、またあそびましょうねー!」

引きずられながら、宮田くんが俺に手を振る。

「はい、俺もメールしますね!」

俺も手をあげて、それに応えた。



今日はなかなか楽しい日だった。

宮田くんという素敵な友達もできたし、青山さんは香奈さんに似てて和んだし、何より目の前には大好きな香奈さんがいるし。


合鍵やあんなことやこんなことは無理だけど、もうちょっと強気で頑張ってみようかな――なんて思って、少し笑う。

この気持ちさえ素直にぶつければ、きっと届く。

宮田くんの言うとおり、自分と香奈さんを信じてみよう、と思った。




嵐のように去っていった二人が見えなくなった時、ふいに香奈さんが低い声で言った。

「ねえ」

「はい?」

「………男なの?」

「え?」

「宮田くんの恋人」

「え、ああ、はい。青山修司さんって言って」

「…………」

「香奈さん何て顔してるんですか!恋愛に男も女もないですよ!」

「恋愛には男も女もなくていいわよ。私が信じられないのは、男にナースとかメイド服とかセーラー服のコスプレさせた合成写真作って喜んでる変態宮田よ!!!!!!!!!!」

「なっ…!香奈さん酷い!宮田くんの愛情表現をそんな風に!」

「近寄らないで!変態菌がうつる!」

「俺は合成写真なんか作ってないですよ!」

「同類でしょ!帰る!着いて来ないで!」

「あっ、香奈さーーーん!」

end





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