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僕の毎日は今、輝いている!
朝。
「おはよう、香奈ちゃん」
姿見をコツコツと叩いて声を掛けると、最愛の女性が幸せそうにこちらに微笑みかける。
「今日もいい天気だよ。……うん、そうだね。僕も晴れてると嬉しいよ。……うんうん、気をつけて行ってくるからね。香奈ちゃん、寂しがらずに待っててね」
彼女は笑って僕を送り出してくれる。
昼は、彼女の喜ぶ顔を思い浮かべながら、ひたすら仕事をこなしていく。
「秋山さん、最近楽しそうですね」
後輩の言葉に思わず頬が緩む。
「そうだね。大切な人が、そばにいてくれるからかな」
帰宅。
「香奈ちゃんただいま!」
天使の微笑みをたたえた彼女が部屋で僕を迎えてくれ、僕はそんな彼女を抱きしめる。
「今日は部長に褒められたよ。香奈ちゃんが応援してくれたからだね。………そんなことないよ。僕の実力なんかじゃない、香奈ちゃんのおかげだ」
彼女は、疲れた僕を、ひたすら笑顔で癒してくれる。
夜。
「おやすみ、香奈ちゃん。夢でも君に逢えますように」
彼女にそう囁き、僕はベッドに入る。
枕元に感じる彼女の気配に身を委ね、ゆっくりと瞼を閉じる。
ああ、今日も一日、幸せだったなあ。
こんな毎日が、永遠に続いてくれればいい。
そしたら僕には、怖いものなんてきっと、何もない……!
僕は秋山。
世界一の幸せ者だと、自負している。
end
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