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翌朝。
日夏が玄関を出ると、幼なじみの早瀬が笑顔で立っていた。
「日夏、おはよう。たまには一緒に行かないか?」
日夏もにこりと笑って頷く。
「あっ、早瀬おはよう。うん、一緒に行こっか。 ねえクロー?先行っちゃうわよー?」
扉を開けて、家の中に声をかけると、乱暴な足音と共に、日向が飛び出してくる。
「待て!今行く………って、ゲッ早瀬!帰れ!」
「悪いけど今から出かけるところだ」
「チッ……いけすかねえ変態が」
三人は並んで歩き出した。
「あ〜ハラへった…」
「なんだクロ、飯食ってないのか?」
「うるせー、寝坊したんだよ。ねみい……ハラへった……」
ぼやきながらふらふらと歩く日向を見て、日夏はくすっと笑った。
「それにしても、クロが寝坊なんてめずらしいわよね。夜中に散歩したって寝起きだけはいいのに。 昨日何かあったの?」
日向は、めんどくさそうな顔で、答える。
「あー。フクロウをシュウタのとこに帰してやった」
「???」
日夏と早瀬は、顔を見合わせて首を傾げた。
end