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「おお!姫君は3●をご所望だそうだぞ殿下!よしきた、実行しよう!」

奥方に気を取られていたカズマの隙をついて押し倒す。

我が妻ながらなんて馬鹿力なんだ。


「あっ!だめっ!」

覆いかぶさろうとするカヤとの間に入るように、奥方がカズマに飛び付いた。

「リン、離れろ、危険だ」

「でもっ……」


それを見た妻の表情が、ますます興奮の色を帯びてくる。

「おおいいぞ!そのまま姫君は殿下にご奉仕するのだ!そんな君に私がごほおおお!!!!!」


再びカヤを蹴り飛ばしたカズマは、身体を起こすと奥方を背後に庇った。

「本当に斬るぞ」


しかし、うちの妻にとってそんな言葉に効果などない。


「なんだ!逆がよかったのか!私にご奉仕する姫君に君がごほおおお!!!!!!」


立ち上がってカヤを踏み付けながら、カズマが俺を振り返った。


「おいムネマサ、心底知りたい。一体こいつの何がよくて結婚した」

踏み付ける足を鼻息荒く撫でようとするカヤの手を剣の鞘で払いながら、カズマは顔をしかめた。

「禁欲してまで結婚したわりに全く変わっていないぞ」

「ばかな!変わっていないわけがないだろう!これまでと違い今やメインディッシュは先輩ただ一皿のみだ!!!他ではとても満たされない!!!」


食い物扱いされた俺はがくりと肩を落とす。

しかも、

「それならこの状況は何だ」

当然カズマがそこを指摘した。


「君たちはデザートだ!!!メインディッシュあってこその楽しみだな!ちなみにサカジョーは前菜だ!今日は食っていないが!」


その場の全員が顔を引き攣らせる中、妻は堂々と宣言した。


「つまり、デザートや前菜は飛ばせても、メインディッシュだけは譲れない!!!そういうことだ!」


世間広しといえども、女からこんな愛の告白をされる男は俺くらいだろう。

しかし、彼女にとってそれが掛値なしの本音だからこそ――俺は――


と。

「やっていることは同じだ、この色魔が」


カズマが吐き捨てるように言って、俺はハッと我に返った。


「用は済んだだろう。さっさと国へ帰れ。そして貴様は二度と来るな」


冷徹な視線を向けられたカヤは、「とんでもない!」と立ち上がった。




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