草野球 | ナノ


▼ 3

「草野球チーム、メンバー募集!

野球が大好きなあなた!

私たちと一緒に
汗を流しませんか?

練習時間は、 」



ああもう!
何で俺がこんなことやらなきゃいけないんだ……

誰だよ、じゃんけんで決めようなんて言った奴。
こういうの得意な奴がやればいいんだ。

俺はパソコンも苦手だし、うまい文句も考えられないし、


……野球が大好きなのかもよくわからないっていうのに。





少年野球の頃から『4番・ファースト』でずっとやってきた。

体格にもわりと恵まれていて、一発がある怖いバッター、と敵チームの奴らに認識されていた。


中学生の頃、親友が病気になった。

同じ野球部で、補欠だったけど、ほんとに仲がよかった。

手術前にある試合でホームランを打つ、と約束した。そしたらお前の手術も成功して、病気も治る、と。

安いドラマによくあるエピソードだが、そのときの俺は真剣だった。
本当に。


なのにその日に限って、ホームランどころか、ヒットさえ出なかった。
チームは勝ったのに、俺だけ大ブレーキだった。

空振り三振/サードファウルフライ/ライトライナー/空振り三振

どうやってアウトになったかさえもいまだに覚えている。

prev / next
(1/3)

[ back to top ]




×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -