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始球式のアナウンスで、ふたりの会話はふたたび途切れた。

さてこれからは試合に集中しよう。


しかし、青年、君は意外と鈍感みたいだが、その子、けっこう脈ありだぞ。
ことによるともう両思いかもしれない。

……と言ってやりたいが、さすがに知らないおじさんからそんなことを言われたら、不審に思うだろうからやめておこう。


せめて心の中でエールを送る。


派手じゃなくて、そんなに女の子に人気がありそうでもない……けっこうタカハシは君と似てるみたいだぞ。頑張れよ。

あとは、鋭い球をズバッと投げるだけだ。



……なんてな。

こんなこと考えて「うまいこと言った」なんて思うとは、俺もオヤジになったなあ。

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