短編そのた | ナノ


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夢は正直だ。

そして突飛で、貪欲だ。



今日が学科の飲み会だから、こんな夢を見たのだろうか。


美里とあまり話せなくなってから、初めてあいつの夢を見た。

学科の飲み会なんて、月イチであるのに、今回に限って?

確かに、楽しみにはしていたけど。



美里は、仲の良い女の子三人と楽しそうに笑っている。

俺は、少し離れた席でそれを盗み見る。



俺と美里は、中学校からの同級生だ。

高校、大学まで、偶然にも(幸運、ともいう)ずっと同じなのだが、高校に入った頃から何となく会話の機会が減り、今では妙によそよそしい関係になってしまっている。


そういうのはよくあることで、普通なら「そんなものだ」とフェードアウトしていくところだが、相手が好きな女だったら、そうも割り切れない。

昨夜の夢のように、美里が俺を好きだと確信できれば、それこそ『実力行使』も可能かもしれない。

でも現実はそんなに都合がよくなくて、美里の気持ちは俺には全く読めない。



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