短編そのた | ナノ


▼ アルコール・パニック



■prologue

「リンさん、お酒飲めないって言ったけど全然飲めないの?一滴も?」

「……そうですね、飲むとちょっとおかしくなってしまうので」

「おかしく?」

「以前飲んだときには……その、兄に抱き着いて猫の鳴きまねをしました」

「あっはははは!なにそれ!!!」

「わかりません。いっそ記憶をなくしてたらいいのにしっかり覚えてるんです。でも何でそんな風になったのかは全然わからないんです。だから怖くてそれ以来飲んでなくて……」

「そっかー、じゃあリンさんには飲ませられないね!ちなみに猫の鳴きまねって、なんて鳴いたの?」

「え?ふつうに、にゃー、って」

「……」

「だって、カズマ」

「…………にゃー」

「えっ?あの?えっ?」



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