短編そのた | ナノ


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「ここ、怖いとこじゃない気がするから。それに、二週間経ったら帰れるんでしょう?」

そう答えると、男の人はにこっと笑った。

「そっか。うん、なかなか強い子だ!」

満足そうに一人で頷く。

そしてすっと立ち上がった。

「よし、じゃあせっかくだから、二週間、こっちの森を案内してあげよう。俺はナオって皆に呼ばれてるからそう呼んで。きみの名前は?」

「私、アキ。こっちの森って広いの?人は住んでるの?」

私は、もう家のことはほとんど忘れて、『こっちの森』のことに夢中になっていた。


ナオは、

「森はすごく広いから、ぼくが知ってるとこなんてほんの一部だよ。人はきみしかいない。いろんなものがいるけどね」

そう言って、私の手をとった。

手がひんやりする。

「まずはぼくの家に行こうか。お腹すいたでしょう?」

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