草野球 アナザー | ナノ


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それにしたって、と思う。

「お前、あまりにもじれったすぎるんじゃねえ?何ヶ月この状態だよ」

試合前ノックが終わり、ベンチに引き揚げながら言う。



あのこはグランドを見つめ、こいつはあのこに笑顔を向ける。

それだけの関係が数カ月。

お前たちは本当に現代人か、と疑いたくなる。


「うん」

こいつにあのこのことを聞くと、いつも短い返事しか返ってこない。

だいたい「うん」じゃ答えになっていないというのに。


俺も、特にお節介というわけじゃない。

だけどなんというか、こいつらを見ていたらもどかしくて仕方なくて、柄にもなく口を出したくなってしまうのだ。


「なんか考えがあるわけ?」

ベンチに戻って汗をふきながら、さらに口を出す。

何かもう、むきになっているのかもしれない。



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