星月 | ナノ


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「日夏、どうした」

日向がエプロンをしたまま玄関に出て来た。

日夏の赤い目に、顔をしかめている。


「早瀬の声、してなかったか?」

少し目を細め、重ねて問い掛ける。


「なんでもない」

日夏は首を振った。

「……クロごめん、今日は疲れたからちょっとだけ休むね。ごはんは先に食べてて。片付けはわたしがするから」

日向とも必要以上には目を合わせないまま、日夏は自室へ向かう。


「おう」

日向は日夏の後ろ姿を見送った後、玄関の扉を振り返った。

そのむこうにいたはずの人物に小声で悪態をつく。


「あの馬鹿野郎、何しやがった…?」



end





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