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嘘つく身体

「ねぇ……本当にするの?」

「するよ。瑠璃は、したくない?」

 互いの素肌を密着させ耳朶を甘噛みされながら、熱っぽい吐息を零して暁が囁く。

「そうじゃなくて……隣、お兄さん、いるんでしょ……?」

 デートの帰り、うち寄ってく? という彼のお決まりの誘い文句に頷いた時からこうなることもちょっぴり期待はしていた。
 けれど、一人暮らしだとばかり思っていた彼にまさか同居人の兄がいて、しかも壁一枚を隔てたすぐそこにいるなんて……。

「あー……でもほら、そこまで壁薄くないし。瑠璃が声出さなきゃ全然バレないって」

「そう、かな?」

「そうそう。それに、ここまで来て我慢なんて酷だと思わない?」

 そう言って暁は胸に唇を寄せると尖った乳首を吸い始める。
 手はするするとおへその方を下っていき、茂みに隠れていたアソコへ辿り着くと指先が軽く突ついた。

「ぁ……っ」

「脚、閉じちゃダメ」

「んんぅッ……!」

 一本の指が優しく挿入され、親指で器用にクリトリスを転がす。
 痺れるような快感に涙が出そうになる。

「瑠璃もこうやって俺のこと考えてオナニーしたりする? オナニーとセックスは、どっちが気持ちいい?」

「そ、んなっ……わか……な……」

「くすっ……じゃあ、すぐにわからせてあげるよ」

 暁は小さく微笑むと膣壁に埋めた指をくちゅくちゅと動かし始めた。

「はぁっぁぁン……! あうっ、は……ぁ」

「エッチな穴だねぇ、もう蕩けてきた」

「はっ、ぅ……! やぁっ……んんっ、はぁ」

「嫌じゃないでしょ? さっきから嬉しそうにヒクヒクしてるし」

 言いながら暁は指を深く出し挿れし、激しい水音を立てながら蜜を掻き出す。

グチュッグチュッ…チュプッ…ピチャッ

「ほら、聞こえる? 瑠璃のやらしい音。これじゃあ隣まで聞こえちゃうかもねぇ」

「んっ、あ……だ……めっ、ぁっ……ん……!」

「そうかなぁ。本当はちょっと興奮してるんじゃないの?」

「し、してな……い……っ」

「いいじゃん、聞かせてやろうよ。俺たちが仲睦まじい証拠でしょ、別に恥ずかしがることないって」

 暁は意地悪い笑みを洩らし、唇に軽くキスを落とす。

「ねぇ……今日は後ろから挿れていい?」

「え……、ぁっ……!」

 腰を掴んで持ち上げると私の身体を反転させて、彼はペニスを押し当てる。
 そのまま割れ目を拡げるように手を添えながら彼のモノが入ってくる。

「あぁッ……!!」

 ズンッと重みのある刺激が深部を突き上げ、甘い悲鳴が響き渡った。

「すごいなぁ……もう根元まで咥え込んじゃってる。瑠璃の可愛いお尻の穴まで全部丸見えだよ」

「やぁっ、ぁ……! み、ない……で……っ、はぁっ……ん」

ズプッズプッ…グチュッグチュッ…グプッ…

「まったく瑠璃は嘘つきだなぁ、こんなに感じてるくせに」

「はぁっ、あぁっ、ん……!」

グチュッグチュッ…ズチュッズチュッ

「嘘をつく悪い子には、ちょっとお仕置きが必要かな?」

「ぁ、だ、めっ……あぁっ……!!」

 暁は私の腰を高く持ち上げ、ペニスを打ち付けながら激しく揺さぶった。
 振動と摩擦が膣内を犯しさらに蜜を溢れさせる。

「あっ、ん……はぁっ……ぁぅ!」

 抑え切れない喘ぎ声を轟かせると壁の向こうからゴトッと物音が聞こえてきて、慌てて声を押し殺した。
 聞こえていないのか、それとも気付かないフリをしているのか……もしかしたら耳を押し当てて聞いているかもしれない。
 襲い来る快感に色んな妄想が掻き立てられ、羞恥と興奮を煽っていた。

「今、何想像してた? さっきから瑠璃の中、すごい締めつけてくる」

「はぁ……っ、ぁ……そこ……っ、ぁあ……ん、はぁっ!」

 一際感じる場所を執拗に突き上げられ、加速するピストンに意識が朦朧としていく。

ズチュッズチュッ…グプッ…ヌチュッヌチュッ

「素直に気持ちいいって言わないと、このままイかせてあげない」

「んっ、ぁぁっ、き、気持ち、い……っ、ぃ……」

「それだけ? 俺にどうして欲しいの? ちゃんと言ってくれなきゃわからないよ」

「はぁっ……もっ、と……突い、て……っ、奥まで、いっぱい……突いて、ぇっ……」

「いいの? きっと瑠璃の声、聞こえちゃうよ」

「んっ、いい……、い、い……からっ……ぁ……気持ち、よく、してっ……暁……はぁっん……、はぁっ!」

「くす……しょうがないなぁ。素直になったご褒美、あげなくちゃね」

 腰に添えられた手にグッと力が込められる。
 そして、彼のはち切れんばかりに膨らんだペニスがさらに激しさを増して膣壁を擦り上げた。

ズプッ…グチュッグチュッ…ズチュッズチュッ

「あぁっ、ぁ……や、イッちゃう……、はぁっ、あぁ……!」

「まだ、だーめ。もう少し」

「はあっ、うっ……ぁんっ、あぁ!」

 膝が震え、上体がベッドに崩れ落ちる。

「ぁぁっ、はぁ……も、う……だめ……! 暁……っ」

 掠れる声で必死に訴えるも、彼はお構いなしにピストンを続け私の子宮まで熱を穿った。

ズチュッズチュッ…ヌチュッヌチュッ…ズプッズプッ

「やっ、だめ、だめぇっ……イクっ……ぁ、あ、ぁぁぁっ―――!」

 快楽は絶頂へと昇り詰めて、弾ける泡となって視界に真っ白の光を放った。
 身体の芯から熱いものが込み上げビクンと背中が大きく仰け反る。

「ぁ……、はぁっ……」

 全身を襲う脱力感に上体を沈めると、背中に彼の温もりが覆い重なった。

「まだ、って言ったのに。そんなに我慢できないほど良かったんだ?」

 くすくすと小さく笑う声と甘い囁きに、かぁっと耳が熱くなってくる。

「だ、だって……! 暁が、意地悪するから……」

「瑠璃、また嘘ついた。イッたのは俺のせいじゃないはずだよ」

「っ……」

「瑠璃が淫乱だから、でしょ? まだまだお仕置きが足りなかったかなぁ。……そんないけない子には、もっと厳しいお仕置きしてあげないと―――だね?」

 暁は笑みを浮かべると繋がったままのそこで再びペニスの出し挿れを始めた。
 拒む言葉の先で身体は熱く火照り、私はただひたすらに蕩ける蜜を溢れさせていた。

嘘つく身体【完】
2016/07/01

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