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それから後日、改めて優斗に報告すると心底驚きながらも私たちのことを祝福してくれた。
鷹斗は私がまだ引きずってるんじゃないかってちょっとだけ気がかりだったみたいだけど、当の私は、何だか完全に吹っ切れちゃった気分。
だって―――隣にいる鷹斗が、本当に嬉しそうな顔をしているから。
それがとても愛おしくて。
「でも僕は、二人はいつかこうなるんじゃないかって昔から思ってたよ」
「えっ!? 昔から?」
「くすっ……分かりやすいからね、二人とも。誰がどう見ても鷹斗は小春のことが好きだし、小春も何だかんだ鷹斗に懐いてた。お互いに素直じゃなかっただけで」
おかしそうに笑う優斗を前に、鷹斗は後ろからグイッと私を抱き寄せた。
「もう報告は終わったんだからいいだろ。返せよ。"俺の彼女"」
「っ……、鷹斗!」
真っ赤になる私に、ちょっとばかり不機嫌そうな鷹斗。
追い払うような仕草をして見せると、笑いながら優斗は立ち上がった。
「僕にヤキモチ妬くのは構わないけど、小春のことは大事にしないと愛想つかされちゃうよ」
「うるせ。少しは気を利かせろっつってんだ」
「はいはい。じゃあ、僕も彼女のところへ行ってこようかな。二人を見てたら羨ましくなっちゃったからね。鷹斗……程ほどにね? 小春も気をつけて」
「へ? 気をつけるって、何を?」
意味深な言葉を残す優斗に首をかしげると、ただにっこりとした表情を浮かべて部屋を出て行った。
「? ねぇ鷹斗、今のってどういう意味なんだろ?」
「あ? こういうことに決まってんだろ」
わかったような口ぶりでぶっきらぼうに言い放つと、突然鷹斗が私をソファへと押し倒した。
「きゃぁっ!?」
バタバタと抵抗する腕を軽く抑えつけて強引に唇を奪われる。
そして、苦しいくらい激しいキスの嵐が降り注いだ。
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