祐一先輩に慰められる


「私ってほんとだめだなぁ」

そう言って、彼女は重いため息をついた。
こいつは昔からドジで、何かをしてはよく失敗している。今日は階段で転んで捻挫をし、宿題をやったのに忘れらしい。その上弁当まで忘れた。
今日はまだマシな方だ。こないだの調理実習なんて、危うく火事になるところだったと琢磨から聞いた。
誰にでも向き不向きがあるというが、こいつは殆どのことが不向きなんだろう。得意なことと言えば、勉強と占いくらいなものだ。
「お前にだっていいところはある」
頭をなでながら言うと、彼女が上目遣いで俺を見つめた。
「……例えば?」
「お前は勉強が得意で頭がいい。……占いは百発百中だ。優しくて、我慢強いし、それに頑張り屋さんだ。鬼斬り丸の時には手先器用な方じゃないのに俺たちのためにお守りを作ってくれた。……それから、俺たちの帰りを待っていてくれるところ」

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