背徳ニ謳フ



本日の私の格好。
高校の時の制服の古典的な紺のセーラー服(スカートは膝くらいで18プリーツ、スカーフは赤だ)+白いセーター+黒のタイツ。髪型は髪を結わず、アイロンで毛先を整えただけ。ちなみに化粧はしていない。
全て雑渡さんからの要求だ。まったく、かれこれ二年半の付き合いだが、未だに彼が理解できない。人を馬鹿にしたかと思えば愛でて見たり。気まぐれで、まるで猫みたいな人。いや、猫よりもずっと質が悪い。猫は人に媚びるけど、彼は決して媚びない。気に入らないなら気に入らない。興味ないものはどうでもいい。気まぐれで自己中、猫みたいで猫よりも質が悪い男性(ひと)。きっと誰にも彼を理解することなどできないのだ。
雑渡さんに手招きされて近寄ると、ぐい、と抱き寄せられた。そのはずみで雑渡さんの膝に乗り上げる。
「一度ね、」
耳に息が掛かって、少し身をよじった。こそばゆいというか、妙な感じだ。にんまりと笑った雑渡さんが、腰を撫でる。
「制服姿の君を犯してみたかったんだ」
「せんせーのヘンタイ」
雑渡さんは笑みを深め、「よけいにそそるね」と言った。腰を撫でていた手が、突然太ももを撫でて冷たい指先に驚いて一瞬、ビクリと肩を揺らした。雑渡さんはクスクスと笑って、冷たい手で太ももも付け根のあたり下へとからいやらしく何度も撫でる。くすぐったくて身を捩ると、雑渡さんが首を少し吸った。どうしてくれるんだ、明日バイトなのに!雑渡さんが吸った場所はとっくりでも着ないと隠せない。お返しとばかりに私も彼の首を吸って所有印を残す。
手が冷たい人は心が温かいひとなんていうけど、それはきっと嘘だ。この人はいつだって一線を引いていて中に踏み込ませない。彼は温かくなんてない。温かい皮をかぶった冷たいひとだ。
赤いスカーフが解かれた。


背徳ニ謳フ








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