*中学生哉太 泣き疲れて眠るなんて中学生のやることじゃないだろなんて思いながら、保健室のベッドの上で眠る彼女をじっと見つめる。目蓋が赤く腫れていて、頬には幾つもの涙の跡がある。 泣いていた理由は知らない。でもきっと錫也関連なんだろう。錫也は面倒見がいいし、顔もいいからもてる。また告白されていた現場でも見たのだろうか。 錫也は優しい。でもその優しさは時に人を傷つける刃にもなる。あいつはそうとわかっていながら、人に優しくするから質が悪い。 「じゃぁ私、会議だから」 後はよろしくね、哉太君。と言って保健の先生が出ていく。…最後のウィンクを残して。そのウィンクの意味を考えて、頭が痛くなった。先生の考えているようなことは起こらねぇからな。絶対、ぜったいだ。…あんま自信ないけど。 「…んっ」 はっとして彼女の方を見ると、彼女は寝返りを打ったところだった。…なんだ、起きたのかと思ったぜ。 すずや、と小さく彼女がもらした。 なんで錫也なんだろう。 なんで、俺じゃないなんだ。 俺ならこんなふうに、彼女を泣かせたりしない。きっと大事にするのに。 彼女の頬を、ゆっくりと指で撫でる。愛おしげに、慈しむように。 好きだ、 好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ、すきだ、愛して、る。好きなんだよ、なぁ。 「好きだ」 そっと額に口付けた。 青薔薇は祝福しない 俺を好きなればいいのに、 (青い薔薇の花言葉は作ることは無理と言われ当初は不可能・あり得ないであった。現在は奇跡、神々の祝福) |