誕生日を祝ってもらう

キャラクターに祝ってもらった!

キャラクター
▽清水雷光(隠の王)
▼安倍泰明(遥か1)
▽常陸院光(ホスト部)






ピンク色の髪の美形が校門前に立っていると女の子たちが噂しているのを聞いて、すぐにピンときた。きっと雷光さんだろう。
今日何か用事があっただろうかと思って携帯を確認すると一件の新着メールと三件の不在着信があった。とりあえず先にメールを確認すると渡したいものがあるので今から此方にくること、なので下まで来てほしいとのことだった。
慌てて階段を降りて校門に向かう。
「雷光さん!」
「やぁ。遅かったね」
「すみません、電源切ってたんです」
謝るとじゃぁ仕方ないねと雷光さんが苦笑する。
「急に来てごめんよ。どうしても渡したいものがあって」
そう言って雷光さんは紙袋を差し出した。首を傾げると、受け取ってと雷光さん。紙袋はやけに軽くて不思議に思って開けると、真っ白なうさぎの人形が入っていた。私の大好きなシリーズの新作で、ゲームセンターで何度か挑戦したけど取れなかったやつだ。
「これっ……」
「俄雨から君がこのシリーズを集めていると聞いてね。…誕生日おめでとう」


雷光さんに祝ってもらった!







「これをおまえに」
ずいと突き出した泰明さんの手にあるのは、綺麗な風呂敷の包み。
お礼を言って受け取ると案外ずっしりと重い。甘い匂いもする。不思議に思って開けていいですかと訊ねると彼は黙って首肯した。
「わぁ…!これ全部、私に?」

中身は着物と匂袋、それからお菓子と綺麗な腕輪だった。
「神子たちから、お前へだ」
お菓子はきっと紫紋君だろう。この翡翠(多分)の腕輪はきっと友雅さんだろう。この間町を案内してもらった(今思えばとても贅沢なことだ)時に、私には翡翠がよく似合うと言っていた。匂袋から白檀の上品な薫りがした。これは鷹道さんか永泉さんかな?着物はかわいいうす桃色の襦袢で、送り主はあかねだった。手紙がついている。
この贈り物は八葉のみんなのあかねたちで選んだもので、私への誕生日プレゼントなのだそうだ。嬉しくてつい笑ってしまう。
「そういえば今日は、泰明さんも誕生日でしたよね。おめでとうございます」
「おめでとう?」
「誕生日にはおめでとうってお祝いするんです」
泰明さんは少し考える仕草をして、それからほんの少しだけ微笑んだ。
「おめでとう、名前」


泰明さんとおめでとう!





扉を開けるとそこは、


─────中世ヨーロッパだった。



「今回も衣装凝ったのねぇ」
あきれ気味に言いながら彼女は紅茶を飲んだ。ハルヒと同じで、僕と馨を見分けられる人だ。……ハルヒと違って、あまり素直じゃないケド。
「前回もやりませんでした?中世ヨーロッパ」
「今回はトクベツさ」
特別?と彼女が首を傾げた。ちょっとこの表情はレアだ。普段の彼女は冷笑を浮かべているか、無表情だ。ついてるあだ名は「氷の女王」。けれど彼女があだ名のような人でないことを僕たちは知っている。
「君の誕生日だからね。…おめでとう、名前」
彼女は真っ赤になって、でもとても嬉しそうに笑った。



光に祝ってもらった!




20130914.ハッピーバースデー私!



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テーマ「人外ファンタジー」
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