祈織くんとおしゃべり





エントランスに入ると、祈織くんがいた。お風呂のあときちんと髪を乾かさなかったのか、髪がまだ湿っているようだった。


「ただいま、祈織くん。どうしたの、こんな時間に」

私の方を見て祈織くんがちょっと微笑んで「おかえりなさい」と言った。お風呂上がり(推定)の祈織くんは、スウェット姿だというのにとてもさまになっていて思わずかっこいいなぁなんて思う。イケメンは何を着てもイケメンだということを、朝日奈兄弟といるとつくづくと思う。

「ちょっと気晴らしに中庭を散歩しようと思って」
「勉強はほどほどにして、ちゃんと睡眠取るんだよ」
「姉さんこそ。気をつけてね。昨日の今日で右京兄さんちょっと怒ってたよ」
「あはは……」


思わず苦笑してしまう。昨日の今日。昨日は夕飯も食べずに寝、今日は門限破り……。あぁ、リビング行かなくてもいいかな。何度目かの京にぃの雷が落ちるのを想像して、ため息をつく。
クスクスと祈織くんが笑っているのに気付いて、ちょっと恥ずかしくなる。


「右京兄さん怒ってるけど、同じくらい姉さんのこと心配してたよ。だからちゃんとリビングに顔出してね」
「うん、そうする。おやすみ、祈織くん」
「おやすみなさい、姉さん」


凾ュどいけど右京さんの説教に怯える夢主。夢主は両親に決められた門限があります。

 

[back]


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -