かなにぃが車で送ってくれる



「かなにぃっ」
「あらら。走ってこなくてもよかったのに」
「だって、あんまり待たせたら悪いし、時間だったから」
「女の子が支度に時間がかかるのは当たり前なんだから、男なんて待たせとけばいいんだよ」
助手席のドアを開けて、さぁ乗ってのかなにぃが微笑む。すごくさまになっていて、ちょっとドキドキする。フェミニストのかなにぃはいつもスマートに女性扱いをしてくれるから、よくドキッとさせられる。他の兄弟だったら中々こうはいかない。みんな小さな頃からの付き合いだから、基本的に遠慮がない。なんでもズバズバ言うし、私だって言う。みんな家族だし別に気にしてないけど、たまにくらいは女の子扱いをして欲しい。かなにぃみたいに。かなにぃにお姉さんたちにもてるのがよく分かる。私だって、こんな素敵な人が近くにいたら惚れてたと思う。

「大学までいいかな?」
「うん!」

やった、満員電車避けられる!と思わず言うと、運転席に座ったかなにぃが苦笑した。





 

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