加糖様◆拍手絵より

加糖様◆拍手絵より


彼はエスパー



私の膝の上に彼の頭が置かれている。

「何してんでィ」

「そーごの髪の毛サラサラアルー」

手櫛で梳いているとキレイなお姉さんもびっくりなくらい彼の髪の毛。

それが指の隙間からこぼれ落ちてく。

梳いているとサラサラで気持ちいい。

でも、男のくせにこんなサラサラだなんて・・・

うらやましいじゃんか。
やっぱ、ムカつく。

だから私は彼の髪の毛をかき混ぜた。

そう、クシャクシャっと。
これも結構気持ち良かった。


「神楽。そんなにしたら、髪の毛縮れて旦那みたいな天パになるだろィ」

彼の言葉を無視してかき混ぜた。

「おい、やめろィ、こら、」

言うことを聞かない私の行動にしびれを切らして、いよいよ彼の手が伸びてきたのだ。

「つかまえた」

私の左手を彼の左手が優しく掴む。

それだけではなくって、彼の右手が私の頭に伸びてきた。


「前から思ってたんだけど、このぼんぼりかわいいな」

私の頭にカポっと被せてあるのを彼が触っている。

「うにゃ」

なんか、変に頭を撫でられているから、くすぐったくて猫みたいな声が出た。

私は、クスクスと笑った。

「何笑ってんでィ」

彼の頭の上に私は顎を乗っける。
顔が髪の毛に埋もれて唇に彼の髪の毛がふれた。
そこからふわっと香る嗅ぎ慣れた彼の匂い。

すごく安心する。
それ以上にドキドキ。
心拍数が上がってく。

そこで彼が言った。


「膝枕のままで、キスできっかなァ?」一瞬何を言い出すんだこいつ、と思ったけど、それ以上にドキドキと雰囲気が後押し。

「してみるアルか?」

私は彼の顔を覗き込んで唇を合わせてみる。


鼻の位置とか角度。

いつもとは違う感じで、ぎこちなく触れ合う私と彼の唇。
お互いの唇が離れそうだから、離れないように、私からついばむようにキスをした。

体勢がキツくなって唇が離れてしまった。

あー・・・
ちょっと残念。
もうちょっとしたかったな。

「なんかしにくかったアル・・・」

私は名残惜しくそう言った。


でもね、

「こういうのも、なんかいいアルナ・・・」


彼は何も言わず、ただ目を瞑ってゆっくりと頷いた。こうしてるだけ。
それだけなのに、心がポカポカしてきた。
嬉しくって、私は彼の頭を抱きしめる。


頬に当たる彼の髪の毛がくすぐったくて、サラサラな彼の栗色の髪の毛に私のピンクの前髪が混ざるように私は、顔を彼の髪の毛の中へとうずめた。

彼の脳内に直接届くように心の中でつぶやく。




『好き』




「ん、俺も」



*********
久しぶりにゆったりと。
西井様の萌えイラストに触発されて。西井様に捧げます。
いつも萌えをありがとうございます。





現在の拍手絵から"ニッチ"の加糖様が
悶え小説を書いて下さいました!!
私の絵なんか全然及ばないような
穏やかで癒される内容に
即お持ち帰りしました(//∀//)
嬉し過ぎます(泣)
加糖様こんな素敵なお話を
ありがとうございましたあああ!!!


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