「なあ、アイツはどんな奴が好みなんだ?」

「……ねぇ、サソリ君?それくらい自分で聞けば?わざわざ私に聞かないでよ。」

「ほっ…、本人に聞ける訳ねぇーだろ!!馬鹿かお前はァ!!!」

「声が大きい馬鹿サソリ。ぱっと見はプレイボーイなのに中身とギャップあり過ぎでしょ?君。」



今、目の前でうーうー悩んでいるのは学校でも超が付くほどの人気者。赤砂サソリ。プレイボーイでクールで泣かした女は数知れず……と、言われちゃいるんだけど中身は女の扱い何か何一つ解らない!女と話す時に素っ気ないのは女が苦手だから!見た目と中身が真逆で初な阿保(サソリ)は今、好きな子の為に悩んでいます。その好きな子と言うのは私の唯一無二の親友、飯井山 紗江。そのせいか親友であり同じクラスの私によく相談を持ちかけてくる。まったく…、私がどんな気持ちで話をしているのかなんて解りもしないんだろうね。この阿保は。ちょっとムカつくから頭を殴ってみる。










「いってぇーな!!何すんだよ!!人が真剣に悩みを持ちかけてんだぞォ!!」

「なんかイラッとしたもんだから。」

「イラついたからって人様を殴んなッ!!」

「さて、次の時間の予習しないと…「無視してんじゃねェーー!!!」



煩いな、この阿保。なにがクールなのさ!中身結構幼稚ですよ!!この人ッ!!
本当に…、皆こんなのの何が良いんだか。……まあ、それを言ったら私もなんだけどね。
小学校の頃から同じ学校・同じクラス……、今ではそこらの男子より仲が良い。というより、コイツ私の事を女だと思った事あるのだろうか?……ないな、絶対無いな。確実に無い。自信を持って言ってやろう、無いとな!……こんな確信、持ちたくも無いのに持ってしまうのは目の前のコイツが私なんか目にも留めずに紗江を見ているからなんだろうね。私の親友だけど、今は誰よりも妬ましいよ。ずっと前から好きだった私なんかより格段に愛されてるんだからね。あぁ、本当に妬ましい妬ましい!でも、私は親友も大切だ。だって、親友だからね!この世界に親友が大切じゃない奴がいるだろうか?……いや、そりゃ世界に数人はいるだろうけどさ今はいないって言っとくもんだよ。まあ、世界の大半は大切だろうよ!その親友が好きだって言ってる相手に手を出せる人間なんていやしないだろうよ。
そう!サソリと紗江は、相思相愛なのにお互い見てるだけ状態!私は二人に恋愛相談されてるから知ってるんだ。随分前から私は間に挟まれている。お互いに好きあっている事を知っているのなら間を取り持つ恋のキューピット役をしてあげればいいんだろうけど、お生憎様!私は、そんなに出来た人間じゃない。これでも私はサソリの事が好きなんだ。好きな相手と好きな相手の好きな子の間を取り持てるほど強くない。二人には悪いけど無理だよ。私には、そんな事出来やしないよ。

ごめんね、ゴメン……ごめn












「亜弥!!…話し聞いてんのか?」

「あ…、ごめん。何か言ってた?」

「……お前は昔っからそうだよな。まったく、……もしかして、好きな奴の事でも考えてたのかァ?」



サソリの独特な笑み(笑みっつーかニヤッって効果音が正しい感じ)で私をからかう様に見る目の前のド阿保。何コイツ。ムカつくわー…、お前の事考えてたんだよって言ってやりたいっ!!………まあ、そんなこと思ったって言えやしないけどね。私は親友の紗江ともサソリとも今の関係でありたい。私の思いを告げてこの関係が壊れるくらいなら私はこの想いを墓場まで持っていくさ。世の中には、伝えるべき想いと伝えるべきではない想いがると私は思う。その伝えるべきでない想いが私がサソリに抱いている想い。世間的には恋心と呼ばれるモノ。
実らない想いはゴミ箱にポイ!それが一番理想的なんだ、そうだ捨てろ捨てろ捨てろ捨てろ実らない恋なんて捨てろッ!!!
暗示のように自分に言い聞かせる『捨てろ』の言葉。




私ハ、自分ヲ殺スンダ。














「そうだよ。好きな人の事考えてたのよぉ〜!…悪い?」

「…はぁ?え、お前好きな奴なんかいたのかよ!!誰だよ?お前には世話になってるからな…お前の行い次第で協力してやんねぇー事もないぜ?」

「…っ、バーカ!!サソリなんかに手伝ってもらったら叶う恋も叶わなくなっちゃうから!!つか、上から目線なのがムカつく!」

「あぁ!?んだとテメー……もう一回言ってみろォ!!」

「叶うもんも叶わなくなるって言ってんだよバーカ!!」

「こんの糞アマがァァァァ!!!」

「黙らすぞ糞野郎がァァァァ!!!」



ほら、私の想いを殺しておけば今までと同じ。今までと同じように接してくれる。叶わないならこれでいいんだ。これで私はまだ、サソリといられる。誰も傷つかない。平和的解決法でしょ?でも、でもさ。サソリからそんな言葉聞きたくなかった…、かな?











「たくっ…。でもまあ、お前もがんばれよ。」









心に響く彼からの一言


「…うん、ありがとう。」
「…素直すぎると気持ち悪いな、お前。」
「黙れ、糞赤髪野郎。」



可能性の無いこの恋にピリオドを… 、
叶わぬ想いをゴミ箱へ。

 






++++++――… 。

たっ、タイトルが変わってしまった;;
なんかスミマセン。



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