「銀時〜、お茶くれ。お茶!」

「おぉ〜。勝手に飲め〜…。」

「さんきゅ〜。」

「おぉ〜!」




かれこれ何年この関係なんだろうか?中学…いや、小学生?確か、それくらいの時期から一緒だった気がする。高校も大学も一緒。何故か受けた会社も一緒で今じゃ同じ会社に勤めている。あんまりにも長く一緒にいるものだから、何だか離れることなんかないんじゃないかとすら思ってしまう程に長い付き合い。別に親同士の仲が良い訳じゃないし家が近い訳でもないし合わせている訳でもない…、何故か一緒なのだ。それに、一緒にいるのが楽なのか互いの家を月に何回か暇な時に行き来している。今も、銀時の部屋でお互いにゆっくり寛いでいる。あ、因みに付き合ってはいない。だけど、友達とも何か違う…、良く解らない関係だ。ただ楽だから…一緒にいる。この関係が続いている理由はこれだけだと思う。ただの気まぐれ……それ以上でもなければそれ以下でもない。だから、いつ壊れてもおかしくない関係だと思う。…でも、だからこそ一緒にいて楽なのかもしれない。何かあったら切ればいい…そう、思えるのだから。










「ねえ、銀時。」

「あぁ?」

「そういえば、コレ預かってたんだわ。」

「……何これ。」

「さあ?ラブレターとか?」

「ふぅ〜ん…。」




ふと思い出した会社の特に仲が良い訳でもない同僚から預かった銀時宛ての手紙。内容は、だいたい想像つく。ずっと前から好きでした、とか付き合って下さいだのの甘い言葉…。学生じゃあるまし本人に直接言えば良いのにと思いはするが告白なんて事、私もした事が無いのでどんなに恥ずかしいのかなんて解る訳が無いので強くは言えないけどね。…そういえば、前にもこんな事があって同じような事を思った気がする。まあ、興味の無い事なので殆ど覚えていないけど。恋とか愛とかくだらない。恋する乙女なんて年じゃないし…、少しは考えないといけないなんて解っているけど考えられないのだから仕方がない。寧ろ、年がら年中あの人が好きだのこの人がタイプだとか考えている方が意味が解らない。そうゆう考えの人の頭を開けて見てみたい程だ。









「……読まないの?」

「興味ねぇーな。どうせ、好きだとか付き合ってくれだとか書いてあんだろ?」

「さあ?興味ないから知らない。」

「…まあ、いいわ。」

「そう。」




基本的に銀時は私が預かってきた手紙などを見ない。開けもしないでゴミ箱に捨ててしまう。そして、何事もなかったようにその存在を忘れる。まるで、使い終わったティッシュの様に…それを捨てる事が当たり前の様に。渡した相手からしたら酷いと嘆きたくなるような事だが渡された方としたら面倒くさい事この上ないだろう。だって、興味もない相手から一方的に好意を示されているのだから。断るこっちの身にもなってほしいと前に銀時が言っていた。









「そういえばさぁ、銀時って好きな子とかいないの?」

「……何だよ、急に。」

「いや、なんとなく。」

「なんとなくってお前さ…まあ、いいわ。好きな子がいるかだっけ?」

「そう。」










「俺はいるよ、好きな奴。」


(そう、なんだ。)
((なんだろ、…これ。))
((胸が刺すように痛い。))
((こんなのまるでっ…。))

 



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