春から夏に向け空気が変わるそんな時期、夜風に当たりながら空を見上げるのはとても気持ちがいい。少し冷たい空気は昼間とは違い何かを羽織っていないと肌寒いくらいで湯上りには丁度いい。夜風にあたりすぎるのは良くないがこの何とも言えない時間が大好きだ。一仕事を終え明日から休みという開放的な今、仕事ではっていた気持ちが解けていくようで清々しい。



「ん?どーしたの、サスケ。」



部屋の方からサスケの声がして振り返る、私を見つめる瞳は今見上げていた空よりも深い色をしていて吸い込まれそう。こっちにこいと言わんばかりに見てくるものだから残念だが部屋に戻る。あーあ、もう少し雰囲気に浸っていたかったのに。



「何?…て、ああ。いつものね。分かったから急かさないでよ。」



サスケに催促されていつもの様に彼の横に座り少し膝を崩す。秋から冬、冬から春、そんな人肌が心地よい時期になると決まって私の腿を枕にして寝るのだ。そんなに気持ちがいいのかしらねと思わず頬が緩む。綺麗な黒髪は指が通るとサラサラしていて意外にも細い。真っ黒で硬そうに見えるが想像以上に柔らかい。いつまでも触っていたいくらいで自分の髪との差に少し苦笑する。シャンプーとリンスを値が張る物に変えたがまだまだ成果は表れてくれない。髪がサラサラになってくれるのが先か、はたまた私のお財布事情が厳しくなるのが先か、嫌なチキンレースだ。



「んーいつもの事だけどいつまでこうしていれば良いんですかね?サスケさん。」



起きてくれる気配はなく、静かな寝息が聞こえるのみ。可愛い寝顔しやがってと頬をうりうりと弄ると嫌そうな顔で身じろぐ、これでも起きないとなると当分このままなんだろうなと諦める。まったく、私はどこまでもサスケに甘い。



「にゃー……。」

「寝言ですかね?サスケさん。」



可愛い可愛い飼い猫サスケ君、君はいったいどんな夢をみているのだろうか。自由気まま、気分屋な私の彼は今日も飼い主の膝を独占し我が物顔で寛いでみせるのだ。





++++++++−… 。

猫でした((笑))
 

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