任務です。しかも、カカシさんの代わりに第7班で。弟のいる班で任務ですって。ちょっと四代目、何てことをしてくれてんですか。



「えー、今日はね、カカシさん他の任務につかなきゃいけないんだって。だから私が代わりにつくよ。文句はね、私じゃなくて隣の子のお父さんに言ってねサスケ。」

「サスケ君のお姉様がご一緒に!!?」

「サスケの姉ちゃんやっぱり美人だってばよ……。」



凄い顔で睨んでくる我が弟にとりあえず今回の理由を伝えたが、まだまだ目は鋭いままで……この目は父さんに似たんだね。うん、殺す気ですかね目で。まだ下忍なのに眼力だけは上忍クラスだよもーやめて。
とりあえず今日の任務はこの辺りの草むしり、簡単な任務なのでさくっと終わらせてお団子を食べに行きたい。あと、イタチ兄さんに10パック買ってきてくれとおつかいも頼まれているのだ。兄さん御用達の甘味処は大人気なので早くしないと10パックは確保できない……スピード勝負だと意気込む。



「うん、とりあえず今日はこの辺りの草むしりなんだよ。早く始めよーよ!」

「えぇー!!俺ってば俺ってば、そんな任務ノーセンキューだってばよ!!」

「ちょーっと、ナルト!!お姉様にご迷惑おかけしてんじゃないわよ!!」



やんちゃ坊主ですね四代目、貴方の息子さんは。ぶーぶー文句を言うナルト君を凄い剣幕と拳で黙らすサクラちゃん、それを冷ややかな目で見るサスケ。
カカシさん…これ纏めてるんだ。凄いね、私これを毎回はキツそう。カカシさん……尊敬します。今までマスクでにやけた口元を隠しながらエロ本読んでる人としか思ってなかったけど尊敬します。今度からは先輩って呼ぼうかな。
いまだにぶーたれるナルト君を急かしてそれぞれの持ち場に行かせる。私もやらなければと気合いを入れる。……とは言ってもこの任務は第7班の下忍達の修行でもある。上忍である私がサクサクと終わらせてはあの子達のタメにならない。だが、ちらつく兄さんの顔。団子、あの団子並ぶのよね……大変なのよあそこ。そんなことを考えている間にも遠くから聞こえるナルト君とサスケの口論をしているであろう声。サクラちゃんが仲裁しているようだがそんなんで止まらないのがこの年頃の男の子だ。



「こらー!止めなさい!サクラちゃんの声が聞こえないのかしら〜?」

「だってアカネ姉ちゃん!!」

「このウスラトンカチが悪い。」

「どっちも引けないならどっちも悪いわよ。いーから任務を続けなさい。貴方達の仕事はなに?草むしりでしょ?ほら!さっさと持ち場につく!」



いがみ合う子供達の背中を押して無理矢理持ち場に行かせる。家ではあんなに子供らしい面を見せないのに、やっぱり同世代の子がいると年相応なのねと苦笑する。でもまあ、後でサスケにお説教ね。流石に任務中の喧嘩はいただけない。何て言って叱ろうかと考えながらサクラちゃんに向き合う。



「サクラちゃん大変ね〜!いつものあの子達の面倒見てるんだものね。カカシさんも大変だろうけど…、後でサスケには言っとくね?」

「いえ!!そんなそんな…、全然大丈夫です!!私、サスケ君と同じ班になれてとっっっっても嬉しいんです!!」



キラキラとした目で私を見る目の前の子にときめいたのは言うまでもなく…完全に恋する乙女の顔をしていてとても愛らしい。あーサスケが好きなのねと、前々からそーかなーと思っていたものが確信に変わる。いや、殆ど確信はしてたけどね?なんだか私がサスケの姉って分かったときの変わり身凄かったし。その後ろでナルト君がしゅんとしてたのも見てたから少しは複雑な気持ちだけどね。可愛い子達には幸せになってほしいなーとのほほんとした考えを持ってしまう。



「サクラちゃん、可愛いなぁ〜…。ねえ、サクラちゃん。この任務終わったら一緒にお団子食べに行かない?勿論、あそこの騒がしい二人も一緒に!」

「ぜ、是非!!お団子大好きです!!!」

「うん!じゃあ、これさっさと終わらしちゃおう!」



そのあとやんちゃな二人を焚き付けて四人で仲良くお団子を食べに行き、楽しみすぎて兄さんに頼まれたお団子10パックを完全に忘れみっちりお説教をされ翌日…20パックを買いにいかされたのだった。


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