桁ましい目覚ましの音と誰かの声が聞こえる、とても聞きなれた声。重たい瞼を開けようとするが、眠気が強く開かない。そんな姿を見かねてか、声は次第に大きなものになる。



「おい、起きろよ。おい、姉さん!!アンタが起こしてくれって頼んできたんだろが!!」

「ちょ、待ってくれサスケ。姉さんね、瞼が重くて重くて開かないの。後ね、五分…十五分ちょーだい。」

「…………兄さん。姉さんが起きねぇ。」

「ちょっと待て、やめて、兄さんは呼ばないで!!イタチ兄さん怒ると怖いんだよ!!」



どうやら起こしてくれていたのは生意気なのに意外と素直な弟、サスケだったようだ。昨日の夜頼んだことをしっかり守って起こしに来てくれたらしい。可愛い弟の声に頑張って起きようとしたが眠気には勝てず布団を被り直したが兄さんを呼ばれそうになったので慌てて布団から飛び退く。イタチ兄さんには前にサスケと同じように朝起こしてくれと頼んでこれたま同じように起きないでグズっていた結果、朝からみっちり修行をさせられたのだ。しかも、兄さん直々の威圧感たっぷりの指導の元だ。あれはもう受けたくない。



「母さん、俺の朝飯トマトいれてくれた?」

「入れたわよー、早く食べちゃってー。アカネ〜!早く顔洗ってきなさいよ〜!」

「分かってるよ母さん。あ、父さん、兄さん、おはよー。」

「おはようございます、だろ、アカネ。」

「あぁ、おはようアカネ。」



母さんに言われるがまま、洗面所に行き顔を洗い髪をセットする。一応はくの一でも女の端くれ、身だしなみは整えなさいと言われてきたのでまだ眠いが落ちそうになる瞼を堪えてドライヤーのなんともいえない暖かい風を髪に当てる。ドライヤーの風って何だかほっかりする暖かさだと思う。
ちゃちゃっとセットを終わらせて居間の食卓に並ぶ。今朝の朝御飯は鯵の開きと豆腐の味噌汁とサラダ(トマトたっぷり)、それに沢庵に白米!理想的な朝御飯だと我が母親ながら関してしてしまう。すずっとはしたなく味噌汁を飲みはーっと一息。体に染みる味だと思うんだ、味噌汁って。しかも我が家の味噌汁だと安心度が違う。やはり我が家の味付けが一番美味しいのだ。



「あ、イタチ兄さん。後でこの報告書添削して!また隊長に怒られたらたまったもんじゃない。」

「イタチに頼らず一人でやりなさい。それにイタチも忙しいだろう、そんなに心配なら俺がみてやろう。」

「あら?あなた、イタチに嫉妬?最近娘も息子も俺を構ってくれないって嘆いていたじゃない?」

「な!!?み、ミコト!!」

「なんだ父さん、そんなに寂しかったの?」



穏やかな会話に暖かな雰囲気、朝からたわいもない会話をするのが私は大好きでたまらない。




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