ベットに横たわる体が身動ぎうつ伏せだった体を横にし重い瞼をゆっくり開く。長い睫毛が付いた瞼は幾度か閉じたり開いたりを繰り返している、意識もまだ朦朧としているのか開いた目はどこか虚ろげだ。そんな彼女の横には人一人ぶんのスペースと皺くしゃになっているシーツがあった。先程まで人が寝ていた事を証明するように乱れたシーツは暖かかった。
少し離れたキッチンから水の流れる音がするとガタガタと何かを取り出す音、コップか何かだろうか。水道から水が流れる独特な音がやむとペタペタと人の歩く音が部屋に近づき静かに戸を開けた。開けたのは昨晩散々に人を抱いてくれちゃった男、私の彼氏だ。



「起きたのか。」

「………ん。」

「水飲むか?」

「……飲む、けど腰が痛い。起き上がれないんだけど…。」

「………起こしてやるからじっとしとけ。」



昨夜の激しさを物語るように、彼女の体は動こうとするのを拒絶する。重たく上がろうとしない体に彼女は深い溜め息をし、彼を呆れた顔で見上げた。その顔を見て彼女が言いたい事に気が付いたのか少し申し訳なさそうに眉が下がった。だがどこか満足げな顔にも見える。



「悪かったとは思ってる。」

「……なら次からはもう少し優しくしてくれる?」

「…………………善処しよう。」

「あーはいはい、嘘でもそう言ってくれて嬉しいわー。まあ、その言葉を何回聞いたか分かったものじゃないですけどね。」

「……………お前は嫌みが上手くなったな。」

「どっかの誰かさんのおかげかしらね。」



気心知れた仲だからこその会話、文に起こせば確実に刺のある会話だが二人からそんな雰囲気はない。
ごくりと水を胃に入れるとふーっと起こしてもらった体を再びベットに沈める。少し値が張ったベットを購入したため沈めた体を優しく包み込んでくれた。我ながらいい買い物をしたと密かに微笑んだ。



「飯は?」

「まだいらない。サスケは?食べててもいいよ?」

「俺もまだいらねー。」



そう言うと彼もゆっくりベットに寝転んだ。寝返りをうち体をこちらに向けたかと思うとまだ何も纏っていない彼女の腰へと手を伸ばした。滑らかな肌に彼の少し骨ばった手が滑るように巻き付いた。その手で彼女を自分の方に寄せると行為のせいで少し荒れた髪に顔を埋め、抱き締める。今日の彼は随分と甘えたいご様子だ。



「珍しいね、サスケがこーゆうことするの。」

「…………別に。」



照れ臭いのか少し赤くなった頬を見られないようにと抱き締める力を強めた。その行為も可愛いなと思ったがこれ以上は流石に何をされる変わらないため飲み込むことにする。言葉にしてしまえば昨晩の続きをされてしまいそうだからだ。



「……………寝みぃ。」

「………ん、私も…。」



人肌が心地よいのか、うとうとし始めた意識を二人揃って手放した。



二度寝にご注意を


再び目を覚ますのは時計の針がおやつの時間を指し示す時だった。




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