続き
「ふぉおお、すげー! でっけー、これがシャーク! おいサン見ろよこれがシャークだぜ!」
「はいはい、シャークだな」
「ひゃあーー、あのでっかいのなんだ? く・じ・ら? ん、なんだ、くじらって。なんだろ…。あ、サンサン〜下にちっこい魚がいるぜ」
「ああ、うんうん」
「ひゃー、すげー。こんなでけー水槽見たことねーし。」
「あのな、ムウ。雰囲気を壊さないで…」
「ぅひゃっほーい、この紙っぺらはなんだ、く・ら・げ? ゼリーフィッシュ! おー、グレート!」
「…はぁ、お前にムードを求めた俺がバカだった」
「んぁ、なんか言ったかぁ?」
「いや、なんでもねーよ」
「それにしても海って所にゃ、いっぱい生き物がいるんだなぁ」
「ああ。地球の7割は海だし」
「7割!? 海ってもんはそんなにでかいのか!?」
「まぁな。」
「すっげぇ…世界は広いな…」
「ああ。」
「………」
「…今度」
「え?」
「…今度また、誘うから、その時に海行くぞ。海に行ってもあんま魚は見られねーけど、あそこも良いもんだ」
「サン…そっか、ああ、誘い待ってるぜ」
「ム…」
「あ! お土産屋ある! クジラのぬいぐるみ買おーぜ、つーか買えよ!」
「お前本当ムードクラッシャー!!」



「あー楽しかった」
「喜んでくれてなによりだ、はー」
「ん、つかれたのか?」
「いや…。もう18時か、そろそろホテルへ行こう」
「え、いやもう俺は工場帰るぜ。俺の担当の所が詰まっちゃ、他のやつらに迷惑かけるからな」
「大丈夫だ、お前の担当には俺の部下が頑張ってくれてるし。」
「…いつのまに。お前なぁ、部下がかわいそうだろ。いいから戻る」
「迷惑だ。帰るのに五時間も掛かるんだぞ、今からいそいでも着くのは23時だ。うちの運転手は24時間フリーじゃねーんだぞ」
「…そっか、わかったよ」
「分かったならディナーと行こうじゃねーか!」
「…はいはい」



「ひぃいいいい、なんで尋常じゃねーくらい豪華なんだよ! 聞いてねーぞ。つーか大統領いるし!!雑誌で見たことあるやつらばっかじゃねーか」
「お前も雑誌見るのか、意外だな」
「つっても捨てられてたやつだから半年前のとかだけど…じゃなくて、俺マナーとか分かんないんだ。」
「大丈夫だ、個室だから俺らしかいないぜ」
「え、そ、そうなのか」
「目が痛くなるシャンデリアは嫌いなんだ」
「そうかよ」
「あ、ちょっと大統領に挨拶してくるから先入ってろ」
「大統領と知り合いかよ!!!」
「当たり前だろ、この国をどこの誰が守っていると思ってる」
「…はぁ」



「うおー緊張してあんま食えなかったー」
「個室にしても緊張するのか、不思議だな」
「あれだけ綺麗なもの出されればこえーよ! しかも着てる服は高いから溢せられないし」
「ナプキンがあっただろう」
「あのナプキンも高そうなんだよ!」
「なんの為のナプキンだ。まぁいいや、部屋に行くぞ」
「あ、ああ。てか何階まであんだよ」
「77」
「な、な!?」
「ついでに俺らはスウィートだ。一番上だぜ、眺めも良い」
「すうぃーと? それって良いもんなのか」
「見れば分かる」


        続く






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