続き
「そちらのお客様もご注文は」
「え、あ、」
「彼にも僕と同じ物を」
「かしこまりました。」
「〜…、ちくしょう、なんでこう都会のやつらはキラキラしてんだ」
「ふ、これが当たり前だ。君はこうやってメニューを見ながら注文することが初めてだろう」
「あ、ああ。まずコーヒーとパイにわざわざ店にくるのも、なぁ」
「会社の昼や、待ち合わせに利用しているだけだ。誰もここの物には興味はねぇよ」
「待ち合わせでこんな綺麗な所、やっぱ金持ちは違うねぇ」
「だから当たり前なんだ」
「ちっこれだから城都のやつらは」
「文句ばっか言ってねーで今の幸せを満喫しろよ、ほら来たぜ」
「ああ、いただきまーす…ってうめぇ、これすげーうめぇ! くぅー、こんな甘味初めて食ったぜ、幸せ!」
「(単純)ふ、そりゃ良かった。他にもあるが頼むか?」
「頼む、頼む! コーヒーも俺が飲んでる奴と味ちげーっ、すげーっ」
「あんまりはしゃぐなよ、注目あびてんぞ、恥ずかしいだろ」
「うるせーな、お前はサングラスしてっし顔見えてねーからいいだろぉ」
「いつ暗殺されるかわからないからな」
「…………」
「……………」
「………………」
「冗談だ、ばーか」



「ごちそうさまでした!」
「おう。ん、今は16時か。ちょうど良い。次は水族館に行くぞ」
「すい、ぞく、かん?」
「それとも動物園がいいか? 遊園地とか言うなよ、あそこは人が多すぎていつ刺されるかわかんねーしな」
「ん?すいぞくかんとかどうぶつえんってなんだ?」
「……はぁ?」
「ゆうえんち、もわからん。」
「…あぁ、そうだな、あそこにはねーしな。」
「…すまん。」
「別に。水族館ってのは水生物、動物園は各種動物を見世物にしてるところだ。遊園地はそうだな、アトラクション…いや娯楽設備が整った暇人が行くところとでも言うか」
「え、今からそこに行くのかよ…?」
「ああ。水族館は綺麗だぞ、海を見せてくれる」
「海、海か…! じゃあ水族館行きてぇな、魚なんて生きてるやつは見たことがねぇ」
「そうか、ああじゃあ水族館へ行くか」
「おう、あ、ちょっと待ってコーヒー飲み干す!」
「もっと良いものを買ってやるからそんな貧乏くさいことはやめろ!」
「あああああ」

       続く






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