「おい、今日は出掛けるぞ」
「朝の5時にたたき起こされたかと思ったら…冗談は顔だけにしろ」
「はっ、そっくりそのまま返すぜ! ほら風呂入ってこれに着替えろ。そんなきったねぇ容姿で隣にいられちゃたまったもんじゃねー」
「っち、うっせーな。行かないわ、めんどくさい」
「社長命令だ、従わなければ一週間分、お前の弁当配給しねぇぞ」
「…仕方ねぇ」
「最初から従っとけ、バーカ」
〜一時間後〜
「なぁ。なんか落ち着かねーよ。高そうな服、つーか高い服だろ」
「大丈夫だ、見た目はなくはない」
「なくはないってなんだよ、かっこいいだろ!」
「いいから。ほらじゃあ早速、髪切りいこう!」
「は、はぁ!? ま、まて待て待てっ」
〜散髪〜
「よし、男前になった」
「…まぁ楽にはなったけどよ、こんな小綺麗にされても何も出ねぇぞ」
「ふ、貧乏人にたかるほど、飢えてはないさ」
「てめぇなぁ」
「さて、次はカフェだ」
「か、かふぇ!? いや待てよ、俺そんな柄じゃ」
「何のために身支度整えたと思っているんだよ、あんなボロボロなお前とカフェ行くのは恥ずかしいからだ」
「なんだそれ! つーか移動時間だけで五時間経ってるから、もう14時過ぎてるし。工場戻らねぇとよ」
「なに言っているんだ、今日はここでお泊まりだぞ。変に真面目だなお前」
「は、…はあ!?」
「お前もともと育ち悪いからこっちの町には来たことないだろ。いい経験じゃねーか」
「育ち悪いは余計だ。つーかだから俺にはこんなおしゃれな町似合わねぇって言ってんだよ」
「ふ、バカめ。俺の見立てで違和感が出ると思うか?」
「(この自信はどこから出るのかねぇ)」
「さぁ車に乗りたまえ、シャンパンでものみながらゆっくりはなそうじゃねぇか。」
「…カフェ行く前にシャンパンて」
       続く

補足/この世界には主に二つの街で構成されています。サン住んでいるいわば普通のカフェがあったり、ビルがあったりする街(外国の通りを想像していただけるとありがたいです)とムウが住む工場とお店くらいしかない環境の悪い街で分けられていて。ムウは生まれてからずっと同じ街住みなので、こっちの街にはきたことないのです。







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