2012-8-27 Mon 0:34

続き/サンとムウ
「ふぉおお、すげー! でっけー、これがシャーク! おいサン見ろよこれがシャークだぜ!」
「はいはい、シャークだな」
「ひゃあーー、あのでっかいのなんだ? く・じ・ら? ん、なんだ、くじらって。なんだろ…。あ、サンサン〜下にちっこい魚がいるぜ」
「ああ、うんうん」
「ひゃー、すげー。こんなでけー水槽見たことねーし。」
「あのな、ムウ。雰囲気を壊さないで…」
「ぅひゃっほーい、この紙っぺらはなんだ、く・ら・げ? ゼリーフィッシュ! おー、グレート!」
「…はぁ、お前にムードを求めた俺がバカだった」
「んぁ、なんか言ったかぁ?」
「いや、なんでもねーよ」
「それにしても海って所にゃ、いっぱい生き物がいるんだなぁ」
「ああ。地球の7割は海だし」
「7割!? 海ってもんはそんなにでかいのか!?」
「まぁな。」
「すっげぇ…世界は広いな…」
「ああ。」
「………」
「…今度」
「え?」
「…今度また、誘うから、その時に海行くぞ。海に行ってもあんま魚は見られねーけど、あそこも良いもんだ」
「サン…そっか、ああ、誘い待ってるぜ」
「ム…」
「あ! お土産屋ある! クジラのぬいぐるみ買おーぜ、つーか買えよ!」
「お前本当ムードクラッシャー!!」



「あー楽しかった」
「喜んでくれてなによりだ、はー」
「ん、つかれたのか?」
「いや…。もう18時か、そろそろホテルへ行こう」
「え、いやもう俺は工場帰るぜ。俺の担当の所が詰まっちゃ、他のやつらに迷惑かけるからな」
「大丈夫だ、お前の担当には俺の部下が頑張ってくれてるし。」
「…いつのまに。お前なぁ、部下がかわいそうだろ。いいから戻る」
「迷惑だ。帰るのに五時間も掛かるんだぞ、今からいそいでも着くのは23時だ。うちの運転手は24時間フリーじゃねーんだぞ」
「…そっか、わかったよ」
「分かったならディナーと行こうじゃねーか!」
「…はいはい」



「ひぃいいいい、なんで尋常じゃねーくらい豪華なんだよ! 聞いてねーぞ。つーか大統領いるし!!雑誌で見たことあるやつらばっかじゃねーか」
「お前も雑誌見るのか、意外だな」
「つっても捨てられてたやつだから半年前のとかだけど…じゃなくて、俺マナーとか分かんないんだ。」
「大丈夫だ、個室だから俺らしかいないぜ」
「え、そ、そうなのか」
「目が痛くなるシャンデリアは嫌いなんだ」
「そうかよ」
「あ、ちょっと大統領に挨拶してくるから先入ってろ」
「大統領と知り合いかよ!!!」
「当たり前だろ、この国をどこの誰が守っていると思ってる」
「…はぁ」



「うおー緊張してあんま食えなかったー」
「個室にしても緊張するのか、不思議だな」
「あれだけ綺麗なもの出されればこえーよ! しかも着てる服は高いから溢せられないし」
「ナプキンがあっただろう」
「あのナプキンも高そうなんだよ!」
「なんの為のナプキンだ。まぁいいや、部屋に行くぞ」
「あ、ああ。てか何階まであんだよ」
「77」
「な、な!?」
「ついでに俺らはスウィートだ。一番上だぜ、眺めも良い」
「すうぃーと? それって良いもんなのか」
「見れば分かる」


        続く



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