2012-8-26 Sun 14:45

続き/サンとムウ
「そちらのお客様もご注文は」
「え、あ、」
「彼にも僕と同じ物を」
「かしこまりました。」
「〜…、ちくしょう、なんでこう都会のやつらはキラキラしてんだ」
「ふ、これが当たり前だ。君はこうやってメニューを見ながら注文することが初めてだろう」
「あ、ああ。まずコーヒーとパイにわざわざ店にくるのも、なぁ」
「会社の昼や、待ち合わせに利用しているだけだ。誰もここの物には興味はねぇよ」
「待ち合わせでこんな綺麗な所、やっぱ金持ちは違うねぇ」
「だから当たり前なんだ」
「ちっこれだから城都のやつらは」
「文句ばっか言ってねーで今の幸せを満喫しろよ、ほら来たぜ」
「ああ、いただきまーす…ってうめぇ、これすげーうめぇ! くぅー、こんな甘味初めて食ったぜ、幸せ!」
「(単純)ふ、そりゃ良かった。他にもあるが頼むか?」
「頼む、頼む! コーヒーも俺が飲んでる奴と味ちげーっ、すげーっ」
「あんまりはしゃぐなよ、注目あびてんぞ、恥ずかしいだろ」
「うるせーな、お前はサングラスしてっし顔見えてねーからいいだろぉ」
「いつ暗殺されるかわからないからな」
「…………」
「……………」
「………………」
「冗談だ、ばーか」



「ごちそうさまでした!」
「おう。ん、今は16時か。ちょうど良い。次は水族館に行くぞ」
「すい、ぞく、かん?」
「それとも動物園がいいか? 遊園地とか言うなよ、あそこは人が多すぎていつ刺されるかわかんねーしな」
「ん?すいぞくかんとかどうぶつえんってなんだ?」
「……はぁ?」
「ゆうえんち、もわからん。」
「…あぁ、そうだな、あそこにはねーしな。」
「…すまん。」
「別に。水族館ってのは水生物、動物園は各種動物を見世物にしてるところだ。遊園地はそうだな、アトラクション…いや娯楽設備が整った暇人が行くところとでも言うか」
「え、今からそこに行くのかよ…?」
「ああ。水族館は綺麗だぞ、海を見せてくれる」
「海、海か…! じゃあ水族館行きてぇな、魚なんて生きてるやつは見たことがねぇ」
「そうか、ああじゃあ水族館へ行くか」
「おう、あ、ちょっと待ってコーヒー飲み干す!」
「もっと良いものを買ってやるからそんな貧乏くさいことはやめろ!」
「あああああ」

       続く




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -