嫌い、嫌い、も。






※ハルオミさんとGEB♀主ちゃんがお付き合いしてたらみたいな





真面目に聞いてくれないと嫌いになりますよ?

慣れたようにあしらう仕草とか、きっぱりとした物言いとか。自分にしかしないその姿勢が好きだ、と。そう伝えると、困った顔をしてくすりと笑った。


「あー、その顔も好きだなあ、みたいな」

「ハルの言葉は信じないことに決めているんです」

「さすがにそれはひどいだろ」


バーストちゃーん、と呼べば、はいはい、と軽くあしらいながら冊子を渡される。


「隊長になるんですから、もっとしっかりしてください」


冊子の表紙には、フェンリルのマークがあり、ペラペラとめくれば小難しい文が連なっている。


「こういう書類って見るだけで眠くなってくるよなあ」

「それ、コウタも同じことを言っていましたよ」


「だろお?コウタも…って、コウタ?バーストちゃんコウタにも同じ説明したわけだ?」

「はい。これでも第一部隊の隊長ですからね」


あと数日だけですが、と少し寂しげに微笑んだ彼女の頭を、よくがんばりましたと撫でると目を細めてくすぐったそうな顔をした。


「それで、だ。コウタとこうやって2人きりで話したってことだろ?ちょっと妬けるな」

「隊長同士仲良くして下さいね?」

「うまくかわしたなあ」


付き合いたての頃の初々しい反応もなかなか見れなくなってしまった気がする…こともなくもない。


「なあ、バースト?」


両頬を手で包みこちらを向かせて口づければ、揺れた瞳から動揺がうかがえる。


「…ハルオミさん」

「はは、怒った?」


むくれた頬を添えていたままの手の親指で撫でる。
普段は、ハルという愛称で自分を呼ぶ彼女がつきあう前のようにさん付けで呼ぶのは怒っているときだと知っている。


「私は真面目な話をしているんです」

「分かってるって」

「ハルオミさんの、そう、ふらふらした態度は嫌いです」

「悪かったって」


ちゅ、とわざと音を立てて再び口づければ、とうとう本気で怒ってしまったらしく、少し乱暴に肩を押し返された。


「っ嫌いです…」

「ふうん?」


口を、塞ぐ。何も言えないように、言わないように。


「〜っ…!」

「、は」


文句を言い足そうな瞳にぞくりと鳥肌が立った。何度も何度も唇を重ねれば、観念したのか首に腕が回されて、やっと受け入れてくれる。


「やっぱバーストは可愛いなあ」

「っ、あまり、調子にっ乗らないで下さい」


さり気なく太ももを撫でていたら、手をぱしりとはらわれ、頬を思い切りつねられた。


「…それ以上するようなら大森さんに言いつけますからね」

「分かったって」


へらりと笑ってみせれば、じとりと睨まれ少しだけ距離をとられる。ああ、うん、やはり自分は彼女のそういうところが好きだと改めて実感した。







(例えば、自分にしかしない冷たい態度とか)
(例えば、困ったような笑い方とか)

(例えば…自分を好きにさせてくれたところとか)



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