3人でわちゃわちゃしてるだけ





※長編番外編


「ブラッド」

「!はいっ」


せっかく庭園まで来たのにジュリウスとばっかり話しててつまんなくってブラッドを呼ぶ。こうすればお前はこっちに構うもんな。


「何ですか?ロミオ先輩」

「べっつに!ブラッドがこっち向かないから呼んだだけ!」

「もう、なんですか」


ぷくりと頬を膨らませるブラッドはまじでガキっぼい。まあそこが妹みたいで可愛いんだけどなー。


「ふぐみたいだな」

「あうー、やめてくださいー」


ジュリウスが人差し指でブラッドの頬を押す。意外と楽しいのか、やだやだと言うブラッドの言葉は完全スルー。俺もやってみたくなって反対側の頬を押す。ふにふにと程よく柔らかくてかなり気持ちいい。


「おー、いい柔らかさ!」

「ジュリウス隊長もロミオ先輩もやめてくださいってば…っ」

「あ、こらっ逃げんなー!」


逃げだそうとするブラッドの腰に腕を回してそのまま寝転がる。ひゃあっ、小さく悲鳴をあげたブラッドと2人で花の上にダイブ。


「よし、こうしてやる!」

「っ、ひゃ、やめてくださっくすぐった…あははっ、ジュリウスたいちょっ助け…っも、だめですって…!」


ブラッドはくすぐりに弱い。それを知ったときは毎日のようにくすぐりまくってジュリウスに怒られたっけ。


「ロミオ、その辺にしておけ」

「はーい」


さすがにいじめすぎた自覚もあって、素直にやめる。逃げる気力もないのか、腕の中のブラッドは相変わらずひいひい言っている。


「つ、つかれた…」

「部屋に戻るか?」


ジュリウスは気遣うように寝ころんだままのブラッドを覗き込む。


「なあなあ、いっそここで昼寝でもしようぜ。晴れてて気持ちいいしさ」

「ああ。少ししたら起こすから2人とも眠っているといい」


夜に眠れなくなると困るからな、とか、ジュリウスは相変わらず真面目だなあ。
ま、勿論いつもみたく巻き込むつもりなんだけど。


「ジュリウスも来いよー」

「うんうん、ジュリウス隊長も少し休みましょう」


ブラッドの無邪気な誘いもあってか、ジュリウスはやれやれと笑う。


「仕方がないな」


ブラッドを挟んでジュリウスも横になる。なんでジュリウスは寝てるだけでも絵になんの。ほら、ブラッドも照れたように笑ってるし。


「えへへ、おやすみなさい」

「おう!おやすみ!」

「おやすみ、ブラッド、ロミオ」


あったかい日差し。
いい香りの花のベッド。
横には大事な友達が2人。


「なにこれ、最高じゃん」


誰にともなくつぶやいて、欠伸をしながら目を閉じた。





(…3人そろって寝てやがる)(隊長まで…珍しいですね)(なあんか私も眠くなってきたー)






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