※アナザーキャラと聞いて…捏造コウタさんがいます ※ちょっとだけえろちゅういかもです
「みんなで任務なんて久しぶりですね」
「はい…私も指揮を執るのは久しぶりなので…少しだけ不安です」
「昔は第一部隊をまとめてたんですから問題ないです!頼りにしてますよ、リーダー!」
「ふふ、了解です」
3年前に第一部隊のリーダーを兄に譲ってからは下の名前で呼ばれることが多く、リーダー、という響きがひどく懐かしい。
次の任務の簡易ミーティングのためラボラトリ前に集まったアリサと話をしていると、アリサが突然「コウタ?」と呟く。後ろを振り向くと、見知った明るい髪色が角を曲がっていくのが一瞬だけ見えた。
「珍しいですね、コウタが黒い服を来ているの…と言いますかこれからミーティングなのにあの人はどこ行くつもりなんでしょう…!まったく…!」
「……すみません、アリサ…ちょっと追ってみます、すぐに戻りますから」
「えっ?」
驚いているアリサの声を背に、先程の背中を追う。
「待たせたな…あいつは?」
「あ、ソーマ…リーダーだったらコウタがあっちに歩いていったのを追って行きました」
「は…?コウタだったら…」
「悪い悪い!お待たせーって、リーダーは?」
「えっコウタ…?じゃあ、さっきの人は…見間違い…?」
不思議そうに首を傾げたアリサを見て、ソーマとコウタは顔を見合わせた。
「…待って下さい」
「……」
「コウタ、ですか…?」
ピタリと止まった背に追い付くと、顔を覗きこむ。顔は確かに自分の恋人のもので、けれど空気というか雰囲気のようなものが少し違うように感じる。
「…ああ、どうしたの?」
にこり、と笑った顔に安堵して顔が綻ぶ。
「本日の午後のミッションのミーティングですよ?行きましょう…」
「ねえ」
そっと触れた手をコウタが離す。と、逆に手首を掴まれる。
「あ、の…どうし…」
「キス、したいんだけど」
「…え、あ、あのっ…」
「嫌なの?」
笑っている、けれど、笑っていない、ような。スッと細められた目には、よくわからないギラついた光が宿っていて、ひやりと背を汗が伝う。
「…今は、だめです…帰って来てからに……」
「今夜、俺の部屋なら、いいの?」
「っ…どういう、意味ですか…」
「言わせたいんだ?」
掴まれていた腕が引かれ、どっと壁に背中を押し当てられる。その衝撃で、けほ、と咳き込んでいると、もう片方の腕もあっという間に拘束されそのまま口を塞がれる。
「っは、あ…う…」
息が、苦しい。咳き込んでいたところにキスをされては抵抗もできず、無防備にあいた口の隙間にぬるりと舌が入り込んできて、ぞわりと鳥肌がたつ。
「う、ん…や…です…っ」
角度を変えて何度も何度も繰り返される行為は、決して慣れてなどいなくて。むしろその逆で。
「っ、痛って…」
思わず力を込めて舌を噛んでしまった。舌を噛んだ生々しい感触と広がる鉄の味。空気が足りない頭がくらくらする。
「お返し、な」
「っ…んん!」
がり、と唇を噛まれ痛みに眉を寄せる。こぼれ落ちる血を舐めとり、コウタと同じ顔をした彼は妖しく笑う。 再度、顔が近づいてくる。できるだけ顔をそらすと、クツリと喉がなるのがきこえた。
「"コウタ"とはこういうキス、しないもんね?」
耳元で囁かれた言葉に肩が震える。
「あんたの不慣れって反応すげえそそる…」
「…ひ、や…ぁ…」
顔をそらしていたためか、今度は耳朶に噛みつかれ、じわりと涙が浮かぶ。このまま食べられてしまいそうで、とても…。
「怖い?」
「っ!」
「そりゃそうだよね。あいつとは子供みたいなことしかしないんだから」
子供みたいなこと。 例えば、手を繋いで歩くこと。例えば、触れるだけのキスをすること。
「リーダー!」
ふと意識が戻る。気がつけば彼の姿はなく、急速に頭の中が混乱していく。 先程のは、一体…?
「大丈夫…?顔色悪いよ…」
「コウタ……だいじょうぶ、です」
「そう…?あれ…」
「…?」
「唇、切れてるよ。血が出てる…」
ギクリと肩が揺れる。指で唇に触れると微かな痛みが走り、コウタのいうとおり血がついていた。
"また、遊んであげるよ"
ぼんやりと頭に残った声を思い出しながら、ゆっくりとコウタの胸に顔を埋めた。
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2014/11/26 02:36
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