深い青黒い夜の空気に包まれる公園で街灯の光だけが私たちを照らしていた。


「納得出来へん」


白石は静かに、けれど不服さを含めて吐き出す。私がたった今告げた別れへの反応だ。


「もう無理だよ」
「俺らいくらでもやり直せる…そやろ?」


違うんだよ白石。白石の優しさを知れば知るほど、白石を好きになればなるほど私はどんどん自分が嫌になっていく。


「離して」
「いややねん、お前が俺から離れたらどないして俺は…」


白石の声が弱く震えていた。揺れる肩と濡れる頬を見て愛されてるのだと確認する。そこでようやく私は白石の背中に腕を回す。こんな風にしか愛せない私でもあなたは許してしまうんだろうね。


深夜/白石蔵ノ介/110610
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