◎謙也と私
※謙也がアホです
「あとどんだけじらせば気が済むんや!」
「もう、謙也ってば朝っぱらから電話かけてきて…ちょっと落ち着いてお願いだから」
「落ち着いてなんかいられへん!オレは元旦に届くように年賀状きっちり出したのに、これで誰からも今日こんかったら、なんかなんか…オレバカみたいやんけ!」
「だってまだ3時だよ…郵便屋さんそんな早起きじゃないって」
「なんやねん!しっかり仕事しろっちゅー話や!」
「まあ…私のは届くと思うよ」
「ホンマか?」
「うん、ばっちり25日に出したからね〜」
「さすがやな〜自分偉いで!」
「まあね〜ところでテニス部の初詣のご案内プリントのやつ見た?」
「ああ白石が企画したやつやんな?」
「それそれえっとこの辺に…」
「自分机の周り綺麗にしとかんと白石に怒られるで」
「いや、別にキレイだし〜…プリントあった!あ…」
「どしたん?」
「謙也あのさ、怒らないで聞いてね?」
「なんやねん」
「私…謙也の分の年賀状出すの忘れちゃった〜あはは」
「…」
「謙也ごめんね?」
「べ、別にええねん、気にせんで」
「うん…でも…。じゃあさ今から謙也んち行って良い?」
「え?」
「年賀状渡しに行く!」
「来んでええ!」
「そっか…迷惑だよねごめん」
「ちゃ、ちゃうねん!女子がこんな時間にうろついてたら…危ないっちゅー話や!」
「大丈夫だよ」
「アカンって、オレが行く」
「でも…悪いからいいよ」
「浪速のスピードスターなら大したことないねん!…ちゅーか…おまえに会いたいんや」
「…」
「せやから…つまりなんちゅーか」
「謙也?聞こえる?なんか外トラックうるさくて聞こえなかったわ…ごめんね。浪速のスピードスターの後なんて言った?」
「…何も言っとらんで」
「そう?なんか言ってたきするけど」
「言っとらん!今から家出るで!」
「あーうんありがと!」
10お正月