ソダ島に最初に着いたのは、やはりシエルとロイド。それから私としいな、クラトスとコレットが同着くらい。案の定、海の上で叫ぶリフィルと可哀想なジーニアスが最後になった。お昼少し過ぎ。せっかく魔物もでないのだし、と邪魔にならないところで軽くご飯を食べた後に、間欠泉へと歩き出す。

「へぇ、凄いな」
「初めて見たのか?」
「あーうん。ま、世界中全て見たことあるわけじゃねぇし」

クラトスとシエルの会話が聞こえた。そういえば、このメンツで私とシエルが異世界の人だと知らないのはクラトスだけか、なんて苦笑いしながら。間欠泉に興奮するロイドたちの隣で、同じように間欠泉を眺める。これじゃあ、ただの観光だ。


「あ、セレネ。あれって例のスピリチュア像じゃないか?」
「……あら、本当ね。どうやったらあの場所に落とせるのかしら」

しいなが見つけたのは、間欠泉に落とした、というスピリチュア像だった。まさき間欠泉を超えた先にある。私たちの会話が聞こえたのか、間欠泉の向こうに見えるそれに、全員が首を傾げている。ひとまず高見へ向かってみよう、というシエルの声で少し高いところから間欠泉が見える場所まで移動する。そして、やはり間欠泉は熱湯。熱気が凄い。


「ど、どうしよう〜」
「ジーニアスの魔術とかで凍らせらんねーかな?そしたら俺が取ってくるよ!」
「ん〜…僕より、セレネに………あれ?もしかして、セレネって始めからこのつもりで?」

ジーニアスに聞かれて笑った。救いの小屋で私が言ったのと、同じ方法を思い付いたらしい。シエルとしいなは嫌な予感がしたのか、分からないけれど少し後ろに下がった。それを見ながら、私は音叉を取り出した。


危ない、と感付いたのかロイドたちも少し退がる。ただ、これから何が起こるのか分からないだろうけれど。かなり複雑で、それでいてそれなりの大きさの譜陣が青色に輝く。その譜陣を見た途端、シエルが顔を顰めた。その輝きの後、

「終焉を導く氷結、インブレンスエンド」


譜陣が強く光った、と同時に、巨大すぎる氷が間欠泉に落ちた。それは、間欠泉の真ん中に突き刺さるように巨大な氷が刺さっている。これは、多分。中々溶けないだろう。ごつッと何だか硬めな音がした。頭が痛いな、とか思いながら頭を抑える。見上げれば、そこには呆れたようなリフィルがいた。


「いったぁ…」
「やり過ぎよ、セレネ」

怒られた、とか思っているうちに、ロイドがスピリチュア像をさっさと取ってきたみたいで。コレットに飛んで取って貰えばいいのに、なんて思ったけれど、楽しそうだから別に構わないか、と笑った。


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