最後の封印
「…セレネ、やっぱりシルヴァラントは遅れてるよ文明が。俺らの世界の創世暦時代、二千年前でもこんなもんなかったって。アルビオールだぜ?空飛べる時代だったのに……なんで、なんでタライ?!一応上流階級なのになんで俺がタライ!?つーか俺王族!」 「ロイドたちが固まってるわよ」
わけの分からない単語をシエルが並べているせいだろう。何日かかけて、最後の封印と思われる場所へ向かう。ソダ島にある、間欠泉だ。最早スピリチュア像は必要ないかもしれない、とは思ったが、コレットがどうしても、と言うので取って帰ることになった。そして、その海を渡った先にあるソダ島に向かう方法。それが、さすがというか、衰退世界シルヴァラント。タライだ。
「わ、私は乗りません」 「俺も嫌だ」 「先生もシエルも乗ろうよ〜」 「そーだ!シエル、俺と乗ろうぜ!」
リフィルはコレットに、シエルはロイドに引っ張られている。リフィルは水が怖いのだろうが、シエルは多分面倒なだけだ。正直言って、私もかなり面倒だ。何がって、向こうまで漕ぐことが。
「きゃっ!」
らしくないリフィルの声が聞こえて、ぎょっとして振り返る。シエルは諦めたのか、ジーニアスの側にいたが。リフィルはロイドとコレットに囲まれていた。腕を掴んでいたロイドも、止まっていた。
「……水が、怖いのか」
クラトスの声が響くくらいに静かだった。それが船に乗りたくなり理由と繋がったらしい。ロイドが面白いくらいに笑いを堪えている。
「……ならタライに乗らないで行くわね。私とリフィルは」 「逃げるなぁぁあぁぁ!!!」
超振動を使い、島へ渡ろうとしていた私をシエルが止めた。あまり使役するな、と使役に怒られてしまって。結局、私はしいなと、ロイドはシエルと、クラトスはコレットと、ジーニアスとリフィルという組み合わせで、二人乗りのタライに乗る羽目になってしまった。
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