「な、何故だ…。この優良種たるハーフエルフの俺が…っ!」
「愚かだからだ、マグニス。クルシスはコレットを神子として受け入れようとしている」


マグニスに近付いてそう言ったクラトス。その時の、表情やなにから。やはり引っかかるものがあった。それは、私だけではないみたいだけれど。それから、「騙されたのか」という言葉を残して、マグニスは息絶えた。ピピッという機械音に振り返る。どこで扱えるようになったのか、聞きたいことは沢山あるが。投影機の中で、収容されていた人たちに道を作ってあげていた。


「…さて、問題は彼らのエクスフィアね」
「取っちゃえば?」
「要の紋なしに取れば、暴走するぞ」
「なら親父に頼めばいいさ!」

自信満々そうに言ったロイドに笑う。ふと、声をかけられて振り返ると、リフィルとシエルがこちらを見ていた。

「詳しい話はあとで、な」
「此処は爆破します」
「…相変わらず、派手だねぇ」

しいなの呆れたような声が聞こえて、苦笑いをする。リフィルと入れ替わりにこちらへ来たシエルは、どこか罰悪そうな表情をしていた。それを見て、ため息。


「これ、調べる必要があるわね」
「え?ちょっとお前、まさかあそこに忍び込む気?やめとけよ、可哀想だ」
「姉さん、シエル、何の話だ?」
「ロイド〜きっと晩御飯のお話だよ!」
「……お腹減ってるのね、貴方たち…」


今の会話からどうしてそうなるんだ、とため息をつく。ジーニアスはリフィルと共にこちらへ向かって来るのが分かる。シエルが言ったあそこ、というのは勿論シルヴァラントベースのことなんだけれど、可哀想ってどういう意味かしら。問いただそうとしたところ、それに気付いたのかリフィルが操作していたパネルに視線を映した。


「お、あと5分」
「走るぞ」

表示を見ながら楽しそうなシエルを咎めるようにクラトスが言った。その声が合図に、私たちは走り出した。途中で出会ったニールたちを急かしながら、だ。そして、施設を出たところで、後ろに爆音を聞きながら、立ち止まる。


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