「本物、拾ってこれないかなぁ…」 「ソダ島まで、行くの?それは間欠泉を越えた先にある、のよね?」
ソダ島までに行くには海を渡らなければいけない。苦手なリフィルはうろたえながら祭司に聞いていた。そして、そのリフィルの言葉に祭司は気まずそうに頷いた。……私が気になるのは、そのスピリチュア像を一体どうやったら間欠泉の向こうへ落とせるのか、ってことなんだけれど…
「問題は間欠泉だな。さすがに熱湯被るのはごめんだしな」
そんなロイドの言葉に、今度は彼に視線が集まった。それを不思議に思っているのか、うろたえているロイドとは対照的にリフィルは少し嬉しそうだ。
「あらロイド。間欠泉が熱湯だってことを覚えていてくれたのね」 「ロイドすごいね〜!」 (……間欠泉が熱湯てことを褒められるってことは、ロイドは馬鹿なのか…)
リフィルやコレットがロイドを褒める中、なんだか一人違うことを考えているらしい(シエル)そこの人、ついこの間まで貴方もあんな感じだったのよ!コレットとリフィルに褒められ、少し有頂天になっているロイドをジーニアスはからかっていた。それでも褒められたのが嬉しかったのか、ロイドは笑顔だ。……ただ、そんなロイドとは反対に、しいなは驚いたような表情をしていたが。
「…間欠泉って…水じゃないんだ…」 「……しいな、知らなかったのか?」 「き、聞いてたのかいシエル!!」 「不可抗力。聞こえたんだっつーの」
しいなとそんなやりとりをしていたシエルを見て、あれなら大丈夫かと少し安心。あぁ、もうガイを過保護と呼べないわ…。そんな微笑ましいやりとりの向こうで、間欠泉をどうやって止めるかという話をしていた。クラトスによれば、ソダの間欠周期は早いらしい。ジーニアスの魔術じゃ少し、無謀かしら。
「あら、出来るわよ」 「セレネ、本当?!」
急に私が会話に入っていけば、ジーニアスが嬉しそうに私を見た。「えぇ、」と答えた私に、嫌な予感がしたのはシエルとしいなだったみたいで。少し、二人の笑顔が引きつっていたのが分かる。それに気付かずに、ロイドが行こう!と促し、みんなは救いの小屋をあとにする。にこにこと笑っている私の肩をしいなが叩いた。
「な、何するつもりだ?」 「新しい譜術の試し打ち」
にこっと笑った私に、しいなは少し後退りをしていた。だって滅多にない機会よ?あまり大きい術だと室内じゃ危ないもの!うふふふと怪しい笑みを浮かべる私をため息混じりにシエルが見ていた。
(…譜術の開発してたのか…第二超振動の開発はどうしたんだよ…)そんなことをシエルが考えていたなど知らずに。私はロイドたちを追って先に救いの小屋をあとにした。
「……なんかさぁしいな。止めた方がいい気がしてきたぞ、俺」 「死人が出る前に止められないかねぇ」
そんなしいなとシエルの会話にあったとかなかったとか。
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